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スピットファイア (エアフィックス 1/72)
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by 加藤 寛之 |
キットは新製品などではない。新しいのはパッケージの方だ。店の片隅に、わざと隠すように置いてあった。袋入りというだけでも心が震えるのに、バトル・オブ・ブリテンの空戦シーン(昔はみんなこれだった!いつからか単なる飛行シーンになっちゃった)は不屈の英国魂を見せつけているし、機名は堂々の「スピットファイア」だけだ。「ゼロ戦!」「ムスタング!」・・・、有名な飛行機は何型だなんて関係ない、それでイイのだ。成型色もブルーで、ハンパじゃない(回顧趣味200%だが、実際、この色は塗装すると実に綺麗な発色になる)。
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開封する。
おお、デカールはイギリスっぽい渋い色だ。いいぞ! さすがに組立図は別な紙になっているが、ポコポコと絵があるだけの図示も単純でわかりやすい。脚やタイヤもガッチリした造りで組みやすそうだ(旧キットだから、以前からそうなのだが)。機首の造形なんか、思い入れが形になったような濃厚さが活きている。図面が形になったようなノッペリしたキットとは雲泥の差だ(発売時からそうなのだが)。
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“なんだ、旧いだけの懐メロじゃないか!”と思う人がいるかもしれないので、凄いところを紹介しておこう。主翼前縁のカーブを見てほしい。微妙だが、胴体部分まで含めて、ず~と曲線なのがわかるだろうか。胴体から真っすぐに出ていないのだ。試しに、超ブランドなキットと比べてほしい。こっちが正しい。主翼後縁が後胴下面と融合する部分の造形だって見事なのだ。執着ともいえる英国の誇りがここにある。こんなスバラシいキットに、このパッケージを付けたのだから、私が迷わず購入したのは当然である(しかも、たったの650円なのだ。それが決定的だったことは白状しよう)。
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