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ミラージュⅢR (アカデミー 1/48)

by 加藤 寛之



 子供のころから気になっているのに、まだ作っていないプラモデルも多い。その一つがフジミ1/50ミラージュだ。凸線だとか細部がどうだとか、そんな事実には関係なく、“作り残した”という軽い屈辱感がある。ところが最近、このキットを店頭で見ない。中古で買えば買えるが、そこまでする気もない。そんなときに見つけたのが、このアカデミーのキットだった。・・・どう見てもフジミっぽい、凹線だが似ている。早速、購入した。もしもこれがおおいにフジミを参考にしたキットならば1/50かも知れないのが、そんな些細なことは気にならない。
 開封する。
おおざっぱ感はあるが、分りやすい部品製品である。首脚はゴツいでこぼこがある棒みたいなもので、タイヤまで一体成形という手軽さ。主脚も脚柱とタイヤの2点構成で簡単そのもの。コックピットは床と2・3点のパーツで組み上げられる。と、気付けば機首にあるカメラ窓の透明パーツが省略してあるじゃないか(ガッカリ)・・・。これはプラバンで穴を埋めて黒く塗ることにする。
とりあえず、作り始める。
 まずは、カメラ窓をプラバンで適当に埋める。跡を残せば塗装の際に便利。意外に短時間で完了。コックピット周辺は、床板と首脚の台座だけを組み込んでおけばよさそうだから、これで胴体の左右パーツを接着、・・・背中が波打っている。これはパテで直すしか方法がない。垂直尾翼もダルい。これは小さく感じない範囲で真っすぐに削る。胴体左右の吸気口パーツは胴体のラインと全然合っていない!・・・検討した結果、下側にスペーサーを入れれば、あとは多少の削りとパテでごまかせそうだ。尾部の排気口は見えるところだけの筒抜けパーツのみなので、適当にくっ付けて削り合わせておけばよい。



次は主翼。上面側パーツの表面がヘナヘナ波打っていたので、軽く表面全体を削っておく。前縁・後縁は下面部分も上面パーツに付いているので、下面パーツは高さ調整をして入れ込む必要がある。この作業で注意するところは主翼全体の「厚さ」で、胴体と合わせられるように中央は浮かせておくとよい。胴体と主翼の接着は仮組みをしてメドとつけた後、下面側の前、次に下面の後ろを接着する。最後に翼上面側と胴体とを高さを合わせながら接着する。いかにもうまくいったように書いているが、下面はあちらこちらで隙間だらけでガタガタ。下面で見えないからパテやプラバンで適当に均しておく。前述の波打った背中や胴体左右の吸気口パーツ周辺なども、ここで一気にパテ整形。あと数点のパーツを付ければ、組立完了である。
 これから塗装なのだが、ちなみにこのキットの説明書は手を抜き過ぎ。コックピットや機内塗装の説明なし、機体上面の迷彩パターンなし、脚の色指定なし、細部はまったく指定なし。しかも箱絵も完成見本写真の塗装も塗装説明と相違。憤慨しても仕方ないので適当に塗る・・・では記事にならないので、真面目なことを書く。①全体塗装は筆塗り。実機はクッキリとした塗りわけなので、これは筆塗りの得意とするところ。ただし実機の空気感をだすために軽いボカシ塗装をしている。②汚しは迷彩の灰色部分にのみ行っている。希釈した灰色に迷彩のもう一色の緑を少し入れた色(色付きの溶剤、くらいの希釈)を作り、筋彫りやリベット部分に塗り重ねている。黒や灰色での灰色部分にのみよりも落ち着いた表現になると思う。灰色部分にのみ行った理由は、緑色の部分にも墨入れをすると機体全体が同じ調子になってつまらないから。③このキットのキャノピーは、枠を機体側にモールドしている部分が多い。そこで透明パーツの接着部分=厚みのところを機内の色で塗った。こうすることで、厚み部分が見苦しく光ることを緩和している。接着には水性ボンドを使い、厚み部分が溶剤で侵されないようにした。④エッジや小パーツの尾根位置は明るく、溝部分や影の部分は暗く塗っている。簡単な作業なのだが、これで「硬い」感じや立体感を強調できる。



 塗装が済んだらデカールを貼る。塗装説明を見ても、これまた貼り位置がよく判らない。発色はややおもちゃっぽいし、それに加えて黄色はスケスケで黄色に見えない。寸法もスケールに合っていない。完成見本写真は発色も大きさもイイ感じに見えるので、どうやらキットデカールではないらしい。・・・まあイイだろう、この程度のことでは動じない精神力はある。1日おいて乾いたら、缶スプレーの半光沢を噴く。
最終段階で脚を付ける。主脚は取り付けが弱そうなので、脚カバーとタイヤを接着して頑丈にしておいた。実機の脚カバーは軽く外側へ開きぎみになるのだが、頑丈がなによりだと思う。首脚はちょっとだけ長すぎる。取り付け部分での短縮は強度面で不安があるで、タイヤの接地部分を少し切り落とした。自重変形した感じもでて、これでOKなのである。
なんだかんだと書いてきたが、出来上がればこれで満足。
さあ、次にかかろう!


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Vol31 2011July.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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