Home>今月のハイライト> 連載 世界の名作発掘(第24回) ハセガワ1/72「F-18ホーネット」

連載  世界の名作(迷作)キット発掘コーナー (第24回)

ハセガワ1/72「F-18ホーネット」

by 鳥巣 Torisu           /    



 

<実機解説>

1974年アメリカ海軍は次期艦上戦闘/攻撃機の開発を企画したが予算の制約を受けその開発はアメリカ空軍の開発した次期戦闘機を海軍に転用すると言う形に落ち着いた。
その候補に挙がったのがGD社のYF-16とノースロップYF-17の2機種であった。審査の結果空軍はYF-16の採用を決め自動的に海軍もYF-16の採用を決められる所であったが海軍は当初から双発エンジンを搭載し攻撃兵器の搭載量の多いYF-17に着目しており議会からのYF-16採用の圧力を退けその改良型であるF-18の採用を1976年に決定した。
もともと空軍向けに開発されたYF-17を海軍用にするには殆ど新設計の機体となり外見は似ているが中身は全くの別物のF-18と言う機体になった。
1978年9月13日完成したF-18は晴れて次期アメリカ海軍の戦闘/攻撃機として採用されるかと思われたがアメリカ海軍内部からF-14の追加配備を求めるグループやA-6やA―7のパイロット達からF-18不要論が巻き起こりその配備が危ぶまれたがF-18推進派らの粘り強い交渉や実機を使った数々のテスト飛行でその有用性を示した結果1982年から各空母航空団に配備された。部隊配備から30年経った現在全てのアメリカ海軍の戦闘/攻撃飛行隊にはF-18によって占められている
一時は予算の制約や議会の無理解から何度も開発が危ぶまれたF-18であるが2011年現在アメリカ海軍主力艦載機となった姿を見て開発者たちの思いは如何なるものか



<キット解説>

ハセガワが1980年代初め凸モールドから凹モールドへ移行する転換期最後の製品でしょうか。
全体に施されたモールドはカッチリした凸モールドです
デカールの金色部分の発色は良いです

箱絵

制作

<コクピットから>

コクピットフロアー・計器パネル・座席・ステックの4点構成です
計器パネルはメインとサイド共デカールで再現されていて良い感じです。

コクピット内部とフロアーをクレオスNo72エアークラフトグレーで塗装します。塗装が乾いたらコクピットを組立てメインパネルを胴体上部に取り付けました。



<胴体の組み立て>

胴体の下部にエアーインテークを含めたサイドパーツを取りつける方式です。ここがこのキット最大の難所になります。
まずインテークの内側に隔壁の板パーツを取りつけますがここは左右間違えると合いません。それとサイドパーツに少し角が干渉するのでデザインナイフで削って調製します。
隔壁の取り付けが終わったらサイドパーツを付けます。そのまま胴体下部に付けると大きな隙間が発生するのでプラ版を裏打ちして補強とパテを盛り付ける量を減らしました。
次は胴体上部の取り付けです。
胴体上部左右に貼り出しているフィレットカバーを先ず取りつけます。ここも隙間が発生するのでパテを盛ります。
オモリ(今回はM5のナット2個を使用)を機首部に入れたら胴体上下を張り合わせます。
胴体の張り合わせ後に機首部先端の斜めの分割線に隙間が発生しますのでここもパテ処理しました。



<主翼と垂直尾翼の取りつけ>

胴体の組み立てが終わったら主翼と垂直尾翼を取り付けます
主翼は正面から見て少々下げ気味に付けます。角度はインストの正面イラストを参考に決めました。
垂直尾翼も同じ様にインストを参考にして取りつけます。
主翼の取り付け部にも隙間が発生するのでここもパテ処理を施しました。


<パテ処理と凸モールドのヤスリ掛けとサフ吹き>

組立が終わったらパテ処理及び凸モールドを落とす為紙ヤスリ#400.1000・1500と番数を上げて削ります。
削り終えたらタミヤ「ファインサーフェンサー(ホワイト)」を吹き付けて一晩乾燥させます。
乾燥後機体全体のキズが無いのを確認したら削り落したパネルラインを掘り直します。パッと見判る程度の大きなパネルラインだけをトライツールのテンプレトとピーカッターを使用し掘り直しました。


<塗装>

基本的に白い塗装に青と金のストライプと言うシンプルな塗装なので白だけ塗りました。
下地にクレオスNo69グランプリホワイトをハンドピースで吹き付け乾いたら青味の強いクレオスGX-1クールホワイトを重ね塗りしました。エンジンの取りつけ部に銀の塗り分けを施し基本塗装は終わりです。
ちなみに脚周りや脚収納庫はグランプリホワイトで塗り分けましたがあまり違いが無いように見えます(苦笑)




<デカール貼り>

青と金のストライプはすべてデカールで再現されています
経年劣化が懸念されたのでスーパースケール社のデカール保護剤をデカール全体に塗りました。
お陰でお湯にひたした途端バラバラになることは防げました。
オリジナルのデカールの糊が堅くてなかなか台紙から剥がれずピンセットでデカールを持ち上げながら剥がす力技で台紙から何とか剥がしました。
糊が堅くて溶けないのでクレオスのマークセッターを塗り固着させました。
ところどころデカールが切れてしまった個所があったのでコバルトブルーと金色でタッチアップしました。
デカール貼りを終えたらキャノピー・脚と脚カバー・ピトー管・エンジンノズル・ミサイル等の細部部品を取り付けます。
主脚カバーに向きがあるのでインストで確認しながら取りつけましょう。
残りの細部パーツの取り付けが終わったら半光沢クリアーを吹いて完成です。
最近では展示会でも見かけないハセガワ製F-18を製作する機会を与えて下さった編集部に感謝です。

参考資料
キットのインスト
朝日ソノラマ「F/A-18の秘密」
より




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