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P-39エアラコブラ(ハセガワ1/48)
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制作:ミートボール会員:吉村裕朗 |
*機体について*
P-39エアラコブラは、本来なら排気タービンを装備して、高空を飛び強力な機関砲で敵を撃破する重戦闘機として計画されました。
ところが、どのような理由からか排気タービンは取り外され、低空でしか性能を発揮できないアリソン・エンジンを装備して製造されました。
その結果、パイロットたちからは「低空を低速で大きく旋回することしかできない鈍重な戦闘機」という、まことに残念な評価を受けることになってします。
そんな中、P-39はフランスから大量の受注を受けました。しかし、ドイツ軍の侵攻によりフランスは早々に降伏してしまったため、製造された機体は急遽イギリスに輸出されることになります。
ところが、イギリス側の大きな期待を裏切るような性能だったため、イギリス空軍からは「要らない」と拒絶されてしまいます。
ただ、少数機が輸入されて、1941年10月から第601飛行中隊に配備され、記録では同年12月まで運用されたようです。
この「鉄の犬」とあだ名された薄幸の戦闘機は、わずか2ヶ月でイギリスの空からも消えていきました。
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しかし、技術的にみればアメリカの工業力を随所に盛り込んだ新鋭機でした。
コクピットの後ろにエンジンを配置し、数メートルもある延長軸でプロペラを回すという独特の構造は、日本では考えられない技術でした。このような構造が特に問題を引き起こしたというような記録もなく、アメリカの先進技術を如実に証明していると思うのは私だけでしょうか。
そして、機首に装備された強力な37ミリ砲(イギリス機は20ミリ砲)は対攻撃に威力を発揮します。約1万機製造された中で、半数がレンドリース法によりソ連に輸出され、ドイツ軍の装甲車両を相手に活躍したようです。
戦闘機としては低性能でしたが、適材適所ということを考えれば、低空性能がよく、強力な機関砲で対地攻撃のできる優秀な攻撃機、という見方も出来るのではないでしょうか。
いずれにしても、極めて個性的な飛行機であることは間違いありません。
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*模型について*
アメリカでは地味なオリーブドラブの塗装でしたが、イギリスの迷彩もよく似合うと思い、この機体を選びました。制作に関しては、シートが厚かったので0.3ミリのプラ板で自作し、シートベルトを追加しました。また、翼下面の排気口も金属製のネットでラジエーターを表現し、ラジエーター・フラップもプラ板で自作しています。リベットはそれほど目立たないので控えめに打ちました。
また、機関銃は真鍮パイプに、ピトー管は真鍮線に変えてあります。文字と小さなデカール以外はすべて塗装で仕上げました。
機体は、イギリス空軍第601飛行隊 飛行隊長E.J.グレイシー少佐機です。 |
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