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「ハンザ-ブランデンブルグB1」
(レガート1/72)

by 作左衛門



 こんにちは。初めまして、作左衛門と申します。宜しくお願いいたします。
幼稚園の頃からスケールモデルをこよなく愛し、紆余曲折がありながらも、作り続けて約半世紀を過ごしてきました。そして最近、ここ4年ほどは主に第一次大戦機を作るようになりましたが、まだまだ拙い技術と勉強不足ということもあり、なかなか満足のいく作品とはいえませんが、宜しくお付き合いをお願いいたします。
さて、今回のお題はレガートの1/72「ハンザ-ブランデンブルグB1」という複葉機です。
実機は1914年からオーストリア・ハンガリーで練習機及び偵察機として非武装で使用され、ハンザ・ブランデンブルグ社に技師長として勤めていたエルンスト・ハインケルのもっとも初期の設計でした。
Dタイプ(メルセデス100HP)からより強力なエンジンを積んだFDタイプなどいろいろなタイプがあります。操縦性が非常に優れており、第一次大戦後もチェコスロバキアなどの国々で1930年(頃)まで一般的な練習機としてライセンス生産されました。軍用としては終戦までに355機が生産されています。のちの単発複座の偵察、着弾観測、爆撃など使用頻度の高いCⅠタイプCⅡタイプの基礎となり、安定性、実用性の高い多用途機として好評でした。
翼幅12200mm、長さ8400mm、最高速度125㎞/h、重量872㎏、乗員2名。



 さて、キットです。プラの材質は少し軟らかめです。上下主翼、水平垂直尾翼、左右2分割の胴体、プロペラなど定番に振り分けられたランナー1枚と、エンジン、胴体左右側面に付くラジエター部分のレジンパーツ、主に計器盤、操縦桿等コクピットで使用するエッチングパーツ、それに版ずれのない質の高いデカールという構成です。 まずは、インストと見比べながら、必要パーツを全てランナーから切り離してゲートとパーティングラインの処理を施します。プラパーツ数自体は最近の精密な現用機キットなどに比べると異常に少ないので(笑)組み間違えるということは滅多にありません。
因みにインストは非常に見づらく、各小パーツの取り付け位置が正確かどうかは怪しいので少ないネット関連とウインド・ソック「CⅠ TYPES」の資料が不可欠でした。



 セオリーどおりにコクピットから。機体内部のプラパーツのボッテリ感は否めないので床部分と操縦桿はプラ材で作り直しました。内部は木目塗装、シート用のプラロッドを渡して、シートはミスターカラーの№113土地色にブラウンを調色したもの、シートベルトはマスキングテープの細切りです。計器盤は付属のエッチングパーツを利用しました。 計器盤の仕上げに各計器にタミヤカラーのクリアを落とします。エンジンはパーツのままで下地処理後フラットブラックで塗装し、軽くドライブラシを施しました。胴体左右に装着されるラジエターのパーツは、形状とモールドが不安定だったのでプラ材で作り直し、真鍮線でフレームを作りました。







 機体の木目です。胴体のつなぎ目をラッカーパテとサンドペーパーで修正し、ベースホワイトを吹きつけます。イエローと橙を混色した塗料で全体を吹きつけ、茶系橙系などの塗料を面相筆で幅広のラインを描き、そのライン間にさらに描き足して、少しづつ幅を狭めていきます。 隙間には赤やレッドブラウンなどでポイント的なラインも足していきます。仕上げは全体に、つやけしのセールカラー(№45)を薄く吹きつけました。木目を描く際は何度か重ね塗りをしながらメリハリをつけていきます。





 エンジンからラジエターまでのパイプラインは0.7の真鍮ロッドです。カバネストラット(胴体と上翼の支柱)は強度を兼ね真鍮にしました。その他、資料と睨めっこしながらディティールを足していきます。


 上下主翼、尾翼の塗装はマットリネンなのですが、クレオスでは発売していない色なので、ハンブロールのカラーチップをもとに調色しました。塗装後、AVコードをほぐした銅線で作ったヒートン状のアイボルトを、ストラットの基部に埋め込みます。0.3mmのピンバイスで突き抜けないように注意しながら開口し、ゼリー状の瞬着でアイボルトを固定します。 その他、尾翼を可動させるワイヤーの出入口の開口、一旦カットしてあったコントロールホーン(可動させるための出っ張り)を自作して接着などの作業を施します。)



 マーキングはアイゼンクロイツ(鉄十字マーク)と機体コードナンバーだけだったので、デカールでも充分なのですが、アイゼンクロイツは塗装にしました。グラフィックソフトでスキャンしたデカールをトレースし、タックシール紙(100均で充分)にプリントアウト。 シール紙とマスキングテープの併用でマスキングし、フラットブラックを吹きつけます。タックシール紙は粘度が少し強いので、指などに何度か貼り付けて粘度を殺します。
上下翼、尾翼などの工作が終了し胴体に接着でほぼカタチが見えてきました。やっと(笑)





 次の段階はまず、スチロールで簡単な冶具を作り上翼をカバネストラットに接着します。
完全に固定できたら、外側からストラットを組み込んでいきます。この機体は若干斜めになっているので慎重にすり合わせました。
キット既存のパーツのストラットは長短が顕著なので別売りの真鍮製ストラットをカット。鑢で形を整えて長さを微調整します。
機首の排気管は0.5ミリの真鍮パイプで再現しました。







 さて、複葉機作りの醍醐味でもある張り線です。予め上下翼の所定の位置に埋め込んであるアイボルトに、鮎釣り用のテグス0.3号(0.09ミリ)を通していきます。下翼で結び、上翼に通したら、瞬着で固定していきます。 全て張り終えたあとからでは塗装が困難なので、固定し終わった糸からフラットブラックで塗装。糸の塗装は撥ねる場合が多々あり、主翼にかかった場合、修正しやすいエナメルで塗装します。





 飛行機が完成に近づいたら、簡単なヴィネットを作るためにフィギアの製作です。
プライザーのパーツを使用しました。全体のモールドをモーターツールで落とし、タミヤのエポキシパテでモールドを作っていきます。完全にパテが乾燥し、固まったらフラットホワイトを吹き付け、面相筆を使用しエナメルで塗装します。今回は民間人としました。
あとは、100均のフォトフレームを利用してベースを作り、飛行機とフィギアをレイアウト、飛行機には適度にウェザリングを施し、接着して完成です。









複葉機というと敬遠されがちなアイテムですが、普通の技術と多少の忍耐力(笑)があればどなたにも完成まで導くことができます。今では144から32までスケールも幅広く、機種も豊富です。 完成後の満足感もレシプロ機よりはちょっぴり余分にある場合があり、作品を眺めながら飲む酒がまた美味い(笑)
まだ複葉機を作ったことがない方は是非トライしてみてください。 




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Vol38 2012 February     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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