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  フォッケウルフ Fw190 D-9
(ハセガワ 1/72(A23))

by 加藤 寛之


 このキットは、今からおよそ35年前に発売された。記憶では、A型に一週間ほど遅れて市場に出たと思う。文句なしに素晴らしいキットだった。
 
これをつい先日、いきつけの「ホビーショップはせがわ」のサービス品のなかに見つけた。1個200円の当時価格だった。Ta152を作ったあとだったので、“これは何かの縁”とばかりに購入した。



あれほど素晴らしかったはずなのに、あらためて見るとそうでもない。まず主翼断面形がちょっとダルい。エルロンの平面形も単純すぎる。主翼前縁と合わさるあたりの機首形状が不自然だ。過給器空気取入口の形もいまひとつ。機首機銃の溝はいかにも浅い。垂直尾翼の形だって変だ。…200円だし、まあいいだろう。組んでいったら上反角の不足が気になり胴体幅を僅かに狭くして解決をはかってみたが、角度がうまくつかない。 主翼パーツの強度に胴体がまけて広がってしまうことが原因のようだ。諦めてこの程度でOKとする。機首上面の機銃点検パネルはいったん切り離し、ガタガタ感を出す。エルロンにはタブを付け、外側をちょっと削ったりして凸凹っぽくする。機首の斜め下方の形状を削って改善、風防後部は「ここも動くんだゾ」と分かるように彫りを深くする。他にもちょこちょこと手を加えたが書くほどのものでもない。



塗装は窓を開けずに済む冬季仕様ということで、水性塗料の筆塗り。塗りわけは、基本的にキットの指示を尊重。キット発売当時に考えてくれた方を大切にした。こんな判断もお楽しみのひとつだ。ただし持っている色で塗っているので、上面はGSIクレオスの59番濃緑色と52番オリーブドラブ、下面はタミヤのライトブルー。当然のことながら色調が違うが、気にしない。
とにかく、塗ってしまうのである。水性塗料でのボカシ方のよい方法がまだ分からず、モットリングの出来はいまひとつ。まあ、仕方が無い。デカールを貼りすすめるとスワスチカがどうにも大きいが、デカールに付いていないキットが多いのだから、寸法もサービスと思っておく。最後にトップコート半光沢を噴いて完成とした。


出来上がれば、けっこうイイ感じである。“お~、トライマスターの48にもまけないねェ”と、フォッケウルフでは毎度おなじみの感想を持った。たしかに、形のとらえ方でもメリハリのつけ方でも言いたいことはある。 だが、ときどき手を動かせば1週間で完成したというのは、特筆すべき特徴である。精密だが途中で挫折して出来上がらないプラモデルと、1週間で完成するプラモデル、どちらが“プラモデルらしい”かは個人の好みによるが、私はもっぱら後者である。


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Vol 39 2012 March.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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