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 懐かしのB級キット(第11回)
フォッケウルフ Fw-190D (フジミ 1/48)

by 田口博通

  玩具から始まったプラモデルが ギミック路線か、それとも 全く動かないけれども精密なモデルの方向に行くか メーカーによって多様性に溢れていたのが 1960年台でした。
 当時から、精密というには?がつくけれども ギミックが面白いプラモデルを日本メーカーが多く発売していました。エルロン、方向舵可動は当たり前、というか それが当たり前のトレンドの時代だったともいえます。
 学校前の文具店でプラモデルが売られていることも多く、箱絵が魅力的でショーウインドーに釘付けになり、学校帰りに店の前の道路で座り込んで、プラモを作った経験のある読者も多いはず。小学生の遊びの一部として当たり前にプラモデルがあり、今からは想像も出来ないプラモ黄金時代だったと思います。

 
 金型精度が追いつかず、可動部がガタガタで、細かいディテールは?が二つくらいつくが、デッサンはなんとなく実機の雰囲気を再現しているという今でも捨てがたいキットが多くありました。既に絶版になっているものが多いのですが、幸い、その中には今でも生き残って現役のプラモキットもあります。

 このシリーズは そんな 懐かしいB級キットを取り上げて行こうという連載です。形状とか デイテールを求めるならば、後発の決定版を購入すればいいわけで、ディテールの修正などをせず、オリジナルの雰囲気を壊さず、完成を目指したいと思います。




  さて、ひさしぶりの 懐かしのB級キット 連載 第11回目は フジミの1/48 Fw-190Dを取り上げたいと思います。
 このキット 初版は1960年代の発売で、高荷画伯の素晴らしいタッチの箱絵でした。
 Me262の基地防衛に使われていたことが多いので、バックにMe262が2機描かれています。
 第2版の箱絵も素晴らしいもので、こちらはMe262基地をスピットに襲われ、、緊急発進した様子が描かれています。ですから、Me262はまだ 脚が上がりきっていません。
 さて、このフジミのキットはさすがフジミで 精密な表面モールドで成形は素晴らしいのです。しかし、当時の風潮で機首にモーターを仕込んで、プロペラが回るように設計されていたため、その影響がスタイルにも現れ、機首が太いのがデッサンの致命的な欠点となりました。
 といってもタミヤの決定版が発売されるまでは 1/48では このフジミのドーラが唯一のキットだった時代がありまして、辛抱して作ったものでした。
 この太い機首が刷り込まれ、タミヤのドーラが発売された時に逆に機首が細い?と感じたベテランモデラーが多かったそうです。

 今回組んでみると、機首のスタイルは別として、かっちりとしたフジミ独特のモールドで キットとしては組みやすいキットでした。
プラモ雑誌や プラモ展示会で完成品を見ることが無い可哀そうなキットです。
 もちろん、このキットはまだ現役のはずでプラモ店の棚には地味にならんでいるはずであります。

初版の箱絵


第2版の箱絵


製作について

  コクピット、機体とも シンプルな出来で あっという間に形になります。翼後縁が少し厚めですが、表面モールドは精密なので、できるだけ それをつぶさずに 組むには 接着面をヤスリで少し削るとよいと思います。
D型の塗装は新資料がたくさんでていますが、初版の箱絵の60~70年代雰囲気にするために、ブラックグリーンとダークグリーンのインクスポット塗装としました。 国籍マーク、部隊マークはデカールを使わずに手書きとしてみました。
 排気汚れをエアブラシで書きいれ、軽くスミいれをしてあっというまに完成です。
プロペラスピンナーの渦巻きも 手書きしています。 

主脚の接着時、角度には十分注意が必要です。
機銃はシンチュウパイプで置き換え、ループアンテナはシンチュウ線を丸めて作りました。
キャノピーの透明度は良好でした。

精悍な機体が完成しました。
確かに機首が太いのですが、40年前のキットゆえのこと。ストレートに作ると、フジミがフジミらしかった時代が 楽しめる良いキットです。
在庫を一つ確保されている方 ぜひ 取り出して作ってみてはいかがでしょうか。




さすがに機首が太いが、逆に精悍。


この角度では あまり欠点が目立たず、ベストアングル


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Vol.40 2012 April.      www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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