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 ホーカーシドレー  ハリアー
(ハセガワ 1/72)

by 加藤 寛之

 先にマッチボックスのハリアーを作った。それに続いて作ったのが、これ。「ワールドホビーショップはせがわ」のサービス品で、発売当時価格と同じ200円であった。キットはハセガワ1/72シリーズの№40で、組み立て図にある製品一覧を見ると、直前にはF-102デルタ・ダガー、T-33シューティングスターを発売している。ちょうどフロッグと提携していたころで、そのことが『プラモガイド 1970』に書いてある。
提携にともない、フロッグはハリアーのキット化をハセガワに任せることにしたのだそうだ。そのためにイギリスから資料がドッサリ届き細部が分かりすぎてしまい、かえってキット化に難儀したとハセガワ自身が語っている。同誌には新製品紹介でこのキットが採りあげられており、当時としても部品の合わせがまずく、エアインテークと胴体の繋がり悪いと指摘している。おそらく、ちゃんと作ろうとして困難な設計に挑んだのだろう。まあ、組んでみよう。


コックピット内は座席があるのみで、床板も計器盤もない。ただし左右の排気口もこの段階で胴体に組み込む手順になっている。これでは組むにも塗るにも不便なので、付け根側を切り詰めて後付けできるようにした。位置の固定に多少の問題が生じるが、組みやすくすることは重要である。左右胴体を接着したら、エアインテークと排気口をカバーするフェアリングを胴体に接着することになる。このエアインテークだが、胴体とはうまく合わないし、外形の繋がりもとんでもなく酷い。合わせが悪いといっても隙間はそれほど生じないのだが、胴体との面の繋がり処理には考え込んだ。 最初は「そのままにしようか」「パテでごまかそうか」と思ったが、良くみるとエアインターク側の膨らみすぎが原因だ。それならば削ればよい。彫刻刀の刃をたてて、ガリガリと削ってみたら、これがうまくいって充分に満足できる繋がりになった。
似たような不連続は主翼上面と胴体背部にもあって、ここもガリガリ削っておいた。もう一つ、前脚・後脚のカバーは地上でも閉まっていることが多い。ここは閉じた状態で組んだ。これだけの作業をすると「素組み」とは言いにくく、「多少手を加えました」といったところか。ほかにも胴体上面の合わせ目とか、風防後端とか、コチョコチョと工作したが、これらは特に説明するほどのものではない。


 塗装は、マッチボックスのときよりもややマシで、緑部分はちゃんとダークグリーンを買ってきて使っている。ただし灰色はRLM75、下面はグランプリホワイトで塗り、展示会でマッチボックスと並べても不自然でなくしておいた。今回は、あちこちのエッジに明るい色を入れ、へこみには暗い色を入れておいた。 さすがにデカール(キットには「転写マーク」とある)は劣化していた。何とか主要なものだけは貼ったが、小さなものは粉々に砕けてしまった。尾翼前胴体にある機番だけは超イイカゲンに書いて代替したが、それ以外は無くてもOKとした。最後にトップコート「半光沢」を噴いて完成とした。


“ウ~んん、…日本人が作った英国機、ってところかな”などど、あまりにも当然のことが感想といったところ。私はもう一個、どこかにハセガワのキットを持っているはずだが、さて、どうしようか。…それよりも5月のSLB展示会テーマの一つ、ファントムを次に作ることにしよう。




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Vol 40 2012 April.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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