実機は、1916年ドイツ海軍省はフランダース沿岸の基地防備のため、アルバトロス社をはじめ数社に水上単座戦闘機を発注しました。迅速に応えるためには、既存の戦闘機の流用が最も簡単で早い方法でした。そこで、アルバトロス社はアルバトロスDⅠの機体を基礎として、翼面積を拡げ、フロートを取り付けたW4を開発しました。
最初のプロトタイプは1916年8月に試験飛行のため海軍省に納入されましたが、フロートが短すぎたため、上昇に問題があり一旦戻されます。1ヶ月後に修正され、再びテスト飛行されました。パイロットは操縦性に難点をつけましたが、最大速度・上昇速度ともに十分の出来でした。しかしアルバトロス社にとって初めて海軍の環境での航空機の利用は、塩分を大量に含んだ海水のトラブルに直面します。 |
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ファブリックで覆われた翼、木製のフロートとプロペラは「海水の塩」に簡単に損なってしまいます。また初期型はラジエターが胴体側面に付いていたために海水の進入も顕著でした。
これらの欠点を後期型ではなるべく補い、ラジエターは翼(上翼)に搭載されました。海軍省の早急に納品せよという要求に対して、間に合わせの戦闘機でしたが、水上機の代表選手、ハンザ・ブランデンブルグW12の登場まで、連合国の戦闘機と互角以上の働きを示しました。1916年6月から1917年12月までの間に117機が生産され、エーゲ海でも任務についていた記録もあります。
装備は機首に7.92mmLMG機関銃1門または2門。
翼幅9500mm、長さ8500mm、最高速度160㎞/h、重量1070㎏、乗員1名 |