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Me-109E (レベル 1/72)

by 田口博通

 私にとって 最も 心に残る思い出のプラモデルは なんといっても 今から40年ほど前に作った このレベル メッサーE型でした。ご存じ レベル 72ファイターシリーズが当時 レベルと提携していたグンゼ産業から発売されていまして、ほとんどの機体を作りました。
なかでも このメッサーは 初めて エアブラシで塗装した 懐かしい機体です。



 1970年当時 郷里 四国高松の高校2年生だった私は 昼ごはんを抜き、おこずかいをため、どうしても欲しかった オリンポスヤングを購入しました。高校のすぐ横にナルホ堂という大きな文具店がありまして、そこで購入した日の記憶が鮮明に残っています。
当時でも数千円するのですから、とってもとっても高かったのです。
しかし、 このエアブラシ それからずっと 私のプラモ人生の伴侶となり、40年経った今も壊れずに完動します。さすがです。このまま 後20年くらいは一緒に過ごせそうです。

 電動コンプレッサーを購入できたのは 本格的にアルバイトができるようになった大学生になってからですので、それまでは エアボンベを使っていました。途中でエアはなくなるわ、圧力が落ちて フロ場にかけこむわ で エアブラシ塗装のたびに大騒ぎでした。
それでも当時のモデルアートの記事によりますと、 それまで使っていた フマキラー型噴霧器(懐かしい、いや 見たこともない 何?という方も多いはず)に比べると 細かい斑点も精密に吹けるはず でした。



 さて、とはいうものの、エアブラシでの初塗装は、 話には聞いていたものの 塗料をどのくらい薄めていいかわからず、最初は手押し式と同じ濃度でやってみましたが、濃すぎて モスラよろしく 糸をシュワっと 引き、一瞬にして エアブラシの塗装ノズルが固まってしまう。アチャー。 苦労の連続です。 
 逆に薄すぎると 吹いても吹いても 色がつかず、エアボンベもなくなってしまい、THE END。 などなど 今から思い出しても 笑い話が続きました。
 
とにかく作りたかったのは もちろん ドイツ機のインクスポット。 エアブラシで 胴体の細かい斑点が かっこよく 塗装できるはずでしたが、やってみますと、、、 



 下面と胴体色には グンゼカラー(現在のMrカラー)のNo19ライトブルーを使いました。
乾いてみると下地が少し透けて見えるので、少し薄めだったようでした。が、ここは何とかクリア。 下面をとりあえず、マスキングテープでカバーします。
(当時はまだ、ニットーのものしか売っていませんでした。接着剤が非常によろしいもので、糊残りはするは、しみこむは、はがすときにやぶれるは で大騒ぎとなりますが、辛抱して使うしかありませんでした。 住友3Mやタミヤのマスキングテープが発売された後は ストレスフリーで 天国気分。)
 
 上面のダークグリーンですが ヤングはシングルアクションですから、吹き始めにブワッと出て、ムラだらけとなりました。アハー、、

 さて 難題のブラックグリーンのインクスポットですが、 ワンプッシュで 1個のスポットを吹こうとしたため、当然 スポットが大きくなり、 頭で考えていたインクスポットとは 大違いな出来です。 でも、デカールを貼り、胴体に 耐水インキでフレームNoを書き込みますと、そこには メッサーそのものがありました。私にとっては 素晴らしい記念のエアブラシ第一作となりました。



 このME109ですが、キットそのものは よく出来ていまして、40年たった今も 色あせることがありません。(デカールの色はあせましたが、、)
当時作ったプラモデル類は引っ越しなどで失われてしまったのですが、なぜかこの作品だけは 東京に持ってきて 保管してありました。 最近 、壊れたアンテナ柱や脚などを補修して、簡単なスタンドを作り 飾ってみました。 
 
 このメッサーを見るたびに 高校生の頃からのことが 走馬灯のように よみがえります。
プラモシーンも精密ばやりで、作り方も塗装の仕方も変わりました。
一時は プラモ製作が苦痛と感じることもありました。
プラモ作りだけでなく この40年で世界情勢も日本も大きく変わりましたね。
 
 しかし、この記念の第1作だけは 変わらず、そっと ケースの中で 佇んでいます。
なんだか 初心に帰って プラモ作りを楽しんでみたら と言っているようです。


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Vol42 2012 June    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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