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  信州しもすわご当地プラスチックキット 
万念君 (販売 ピーエムオフィスエー)

by 加藤 寛之



 これは珍しい、長野県下諏訪町のご当地プラモデル。説明には「このプラスチック製組立キットは「長野県下諏訪町の技術の結集を世界にみせてやるぜ!」をスローガンに、町内外の企業や学校によって結成された「SUGERA PROJECT」によって開発されました」とある。販売場所は極めて限られているようで、私は下諏訪のホテル売店で入手した。
 
発想の元である「万治の石仏」は、芸術家の岡本太郎が見て絶賛したという、大きな石を身体に見立てて彫刻し石の頭部を載せて仏とした圧倒的造形物。民衆の限りない情念を感じる石仏である。このキットはそれをキャラクターへ変身させたもので、エプソン情報科学専門学校生のIさんのデザイン原案であると組立説明書にしっかりと解説されている。「万治の石仏」は巨石を胴に見立てたものだが、キットには脚があり、立つ。白・灰色・ピンクのプラで成形された、可愛い製品である。



さて、「長野県下諏訪町の技術の結集」を組んで驚いた。接着剤不要のスナップキットなのだが、恐ろしいほどにパーツの合いがいい。接合面はピカピカに磨き上げられていて、パーツの合わせ目が見えないくらいだ。当然、一度組むと分解できないから、仮組みをしてはいけない。湯口にも配慮があり、手でもぎ取ってもほとんど支障なく組み立てられる。すべて同一素材のキットなのに可動部分は適当に固く、うまい具合に出来上がる。これはよく出来たプラモデルである。



塗装説明は、水性ホビーカラーを主体にかわいい色を薦めていて、とても親切。とはいいながら、私は「万治の石仏」のイメージにしたかったので灰色に塗った。形態としてもドッカリと座り込んだようにしたいので、脚は付けていない。そんなものは飾り物ですよ、なんて想いながら脚ナシで組んだのだが、結局、完成後は玄関に置いて飾り物にしてある。
キット開発の意気込みと経緯、アイデア、プラモデルとしての精度、説明書の面白さと丁寧さ、箱の美しさ、購入しやすい価格、いずれも満足、星5つです。



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Vol 46 2012 OCtober.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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