Home>「Curtiss Jenny JN-4A」 (OLIMP MODELS 1/72)


「Curtiss Jenny JN-4A」
(OLIMP MODELS 1/72)

by 作左衛門

 

こんにちは、作左衛門でございます。
寒くなってきましたね。まさに炬燵に蜜柑の季節がやってきました。
丸くなって、模型をじっくりと作るのもまた一興……(笑)
さて、今回のお題はオリンプモデルズの1/72カーティス・ジェニーでございます。
ここのメーカーさんはこの機体だけでいくつかのバリエーションがあり、なかなか組みやすいキットでもあります。まだまだ模型屋さんの片隅に置かれてる場合も多々あるので、見かけたら手にとってみましょう。一部で言われているようなヘンなキットではありません(笑)

(2キット)



実機は第一次大戦の後半アメリカは、大量のパイロット急速養成用の練習機として各型を含めて6522機も生産されましたが、戦後捨て値同然で放出しました。用途は民間の飛行学校の使用や、休戦で軍から退かざるを得なかったパイロットたちが購入し、曲乗り飛行や体験飛行の地方巡業を行いました。また、広大な畑などの薬剤散布などにも利用されています。ちなみにジェニーは記号JNからちなんで、アメリカ女性の一般的な名前であるジェニファーの愛称です。
翼幅13300mm、長さ8330mm、最高速度120.7㎞/h、重量967㎏、乗員名2名。

いつものように、パーツはインストと照らし合わせながら、あらかたランナーから切り離して、不必要なパーツは別にしておきます。

(3パーツ)



胴体側面内部は甘いモールドだったので、エバーグリーンのプラロッドにて簡単に骨組みを再現します。

(4コクピット01) 


(5コクピット02)



床とシートもインスト通りに組立てて、塗装。シートベルトはマスキングテープ。

(6コクピット03)


 (7コクピット04)



計器版はデカールで用意されてますが、一応作ってみました。
パーツの裏にピンバイスで開口した透明のプラ版を貼りカット。
胴体上部の裏側にプラロッドで橋渡しをして接着。

(8コクピット05)


 (9コクピット06) 


(10コクピット07)



前シートの前に装着される燃料タンクです。

(11コクピット08)



実は、ここでちょいと問題が発生いたしまして。
資料としていた写真には前席には計器パネルがないことが判明。しかも計器パネルを2個作り、接着したあとの段階で判明(笑)

(12コクピット09)



でも、まてよ……と。私の古い記憶では確かにあったような……(笑)
軍から払い下げられ、民間で使用されたとしてもわざわざ取っ払うよーなマネは……。
で、やっぱりありました。燃料タンクの前に計器パネルがあります。
資料とした写真よりは明らかに古い写真です。おそらく実機がブンブン飛び回ってた時代のものと思われます。資料としていた写真はミュージアムでレストアされた機体で、なんとなく燃料タンクの前にある木の格子も違和感が……(笑)
ミュージアムの写真も実機なので確かに貴重な資料となりますが、ディティールに関してはそのまま鵜呑みに出来るわけではありません。
模型のほうは前席計器パネルを取っ払ってしまったので、燃料タンク仕様のままで進行しました(笑)

(13コクピット10)



コクピットは蓋のパーツを接着して完了ということに。この蓋のパーツと胴体の段差が少しあったので、パテで修正です。カバネストラットのガイドがあるので真鍮線を接着してからパテを盛りつけます。パテが固まったら真鍮線を抜いてペーパー作業です。

(14コクピット11)



エンジンです。このままメタル系の塗料で塗装すればそれなりになると思うのですが、そこはホレ、なんですので……(笑)
シリンダーヘッドを削りとり、エッチングのジャンクパーツを利用してロッカーアーム等を自作。シルバー系で塗装しました。

(15エンジン01) 


(16エンジン02) 


(17エンジン03) 


(18エンジン04)



垂直尾翼は納まりが悪かったので、一旦方向蛇をカットしてから接着。合いの悪いパーツは切り離してからしっかりと接着し、パテやプラ板等で修正、ペーパーをかけると自然に見える場合があります。

(19尾翼01)


 (20尾翼02)


主翼上もゴチャゴチャとストラットやら糸張りが必要で、剥がれる恐れ大なので、ラウンデルは塗装としました。

(21マーキング01) 


(22マーキング02)



機首部分にはエンジンカバーを留めるための皮ベルトがあります。これは細切りのプラペーパーを貼り付け、金具をつけてそれらしく。
金具は削り出したプラの角棒に極細の銅線を巻き、空洞にカッターの刃を入れてカットすると四角い銅線がいくつか(巻いた数)できますので、瞬着で細切りプラペーパーに接着し、
それを適当にカット、エンジン部のプラペーパーに接着しました。

(23機首01)


 (24機首02) 


(25機首03) 


(26機首04) 


(27機首05) 


(28機首06) 


(29機首07)



アイボルトとターンバックル用のスプリングです。

(30アイボルト)


 (31スプリング)



ストラットも木目塗装としました。

(32ストラット)



主脚、ペラなどの塗装も完了して、やっと天の字です(笑)

(33塗装)



カバネストラットは強度を兼ねて真鍮製にしました。
上翼を乗せると作業しづらくなる糸は予め装着します。

(34カバネストラット)



エルロン可動用のワイヤーは上翼前面の滑車を通っているので、ジャンクパーツで自作。

(35滑車)



尾翼のストラットも真鍮製に。これは0.5ミリの真鍮パイプを平たく潰したものです。

(36尾翼ストラット)



翼間ストラットをはめ込み、完全に瞬着が硬化したら、じっくりとリギングです。
糸を上下アイボルトに通すときに、極小のスプリングを間に通してターンバックルとしました。

(37翼間ストラット)


 (38リギング01)


 (39リギング02)



尾翼です。昇降舵可動用のワイヤーは各3本づつです。これはエルロンも同じで表裏ともにリギング。

(40尾翼リギング01) 


(41尾翼リギング02) 


(42エルロン)



上翼の上も資料とにらめっこしながら糸張り(笑)
ところどころの短めの箇所は伸ばしランナーです。伸ばしランナーも場所によって使い分けると効率的に作業できます。車輪は別売りの金属パーツを使ってスポーク仕様にしました。

(43上翼)


 (44車輪01)


 (45車輪02)



で、どうにかの完成です。
紆余曲折はありましたが、こうして完成を眺めながらの一杯は非常に旨いものです(笑)

(46完成01) 


(47完成02)



 Home>「Curtiss Jenny JN-4A」 (OLIMP MODELS 1/72)

Vol48 2012 December     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
  無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」

製作記事


TOTAL PAGE