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マイルズ マジスター
(旧フロッグ 1/72)

by 加藤 寛之



このキットは1963年の発売だそうである。FROGは自国機を熱心にキット化した会社だったが、実機は1200機も使われたのだとはいえ、こんな機体をよくぞ製品化したものだ。キット評も、『プラモガイド』1972年秋季号の「第2次大戦アメリカ・イギリス機」特集にみることができるくらい。なんともジミな機体である。 今回組んだ製品はFROGさらにNOVOの廃業後に東欧へ流れた金型で打たれたもので、語学単能(?)な私は製造国も会社名も分からない。ゆえにメーカー名は(旧)FROGとしておいた。それにしても全然魅力を感じさせない箱絵である。ところが開封してビックリ、イギリスの蛇の目マーク以外にこの派手なデカールが入っていた。製作意欲が一ケタあがったことは確かだ。



まず、胴体を眺める。コックピット内の唯一の部品である座席は後から入れればよいので、とりあえず胴体左右を接着しておく。操縦席の穴はクタクタに曲がっていたので、ここは削って形を整える。水平尾翼の前に延びるフィンは誰が見ても左右非対称だから、これも形を揃える。
エルロンとエレベーター、ラダーは、どれも別部品なのだが可動ではない。軽く接着面を均して翼にくっつける。ところが水平尾翼は取り付け部分がマズくて、強い前進角がついてしまう。切って修正したのでは水平尾翼が小さくなりすぎるので、楔形にプラバンを挟み込んで修正した。あとは、なんとなく組んでいけば形になる。風防は塗装後に付けたのだが、胴体の形とはそれなりに一致していたので助かった。水性ボンドで、そっと置くように付けてある。



 塗装では、溶剤が付いた手で触ってしまったり、黒がザラついてしまったりと、何かと事故が多かった。原因は、あまりにもどうということもない形に私の製作意欲が低下してしまったことにある。いろいろ誤魔化しはしたが、あまり良い塗装状態ではない。一月に何個も作っていれば、そういうことも起こるのだ。 困ったのはデカール貼りで、これが硬くて割れやすい。特に主翼の3色帯や国籍マークは色重ねでフィルムが厚くなっているためか割れて分解がはじまり、途中で“もう、全部捨てちゃおうか”と思ったくらい大変だった。キズは塗装でごまかしてはみたが、お世辞にもよい状態とはいえない。



 最後に主脚をつける。タイヤはU字型の間に挟みこむ形式で、構造上、タイヤはしっかりした位置決めができない。置くこともできないほどガタガタしている。テキトウにそれなりのところで接着して固定した。 そんなこんなで、ようやく完成。見栄えはしないが、けっこうカワイイじゃないか。塗装の難点もデカールのキズも、自分が気にするほど他人は気にしないものだ。これでよい。




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