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ヤコブレフ Yak-11
(メーカー不詳 1/72)

by 加藤 寛之



 メーカー不詳とした理由は、「箱にそれらしい記載はあるのだが、私には読めません」ということで、どこかの国のどこかの会社の簡易インジェクションキットである。この類のキットとしては組みやすく、まあ上等な製品だといってよいだろう。以前にもバキュームフォームキットで1/72のYak-11を作ったことがあるのだが、今回のキットの出来上がりはそれと雰囲気がよく似ている。 あるいはキット原型に何か共通性があるのかも知れない。実機はYak-3を空冷エンジンに換装、さらに復座化もした胴体をつけたような練習機。チェコでライセンス生産されたときはC-11とよばれた。



上等といっても簡易インジェクションキットなので、それなりの工夫と妥協を組み合わせながら組む必要がある。まず、主翼から組む。下面は左右一体、上面は左右にわかれているので全3パーツ。接着面を均して合わせてみると、後縁がとんでもなく厚い。内側を削って薄くしたいところだが、そうなると胴体との合わせに問題が生じそうだ。 対策としては後縁を削り上げることで薄く見せることにした。裏側まで透視できる人類は少ないと思うので、これでよい。水平尾翼全体の平面形はまずまず。エレベーターのヒンジラインが前傾しているけれども、黙っていれば気付かないことなのでそのまま使った。



 胴体は、主翼に合わせて(そのために主翼から組んでいる)前端下面に0.5ミリ厚のプラバンを挟み、太くした。コックピットは側面の骨組みや計器盤などもパーツ化されているが、どうせほとんど見えないので省略、床板に座席だけ付けた。 それよりも、前後席までつながったコックピットの大穴は本当だろうか。実機はずっとつながっている胴体に穴が2つ開いている感じじゃなかろうか。ちゃんと調べればよいのだろうが、とりあえずプラバンで座席間に蓋をかぶせておく。だから内側は「ほとんど見えない」ことになるのだ。



カウリングは前端だけが別パーツ。窪んだ前面にある放射状の彫刻は、過冷防止シャッターのつもりだろう。実機は扇状の板が重なり合う構造なのか、丸刃の回転カッターのように周囲がガタガタ状の隙間があいている(開き程度によるだろうが)。細部は分からないので、そんな感じに塗るだけとする。前述のように胴体前端下面に0.5ミリ厚のプラバンを挟んだ分だけ胴体直径よりも前端パーツの方が細いのだが、それをどうこういう精度のキットではないのでテキトウに削り合わせた。 風防はなるべく胴体と削り合わせたが、それでも残った隙間には水性ボンドを流し込んで埋めた。透明パーツには素材が原因で白濁した部分もあるのだが、気にしない。主脚は当然のことながら取付け穴がゆるい(ゆるい、なんてものじゃない)。ここはなんとか接着する。脚カバーはタイヤに直接つけて固定した。アンテナ類とピトー管は真ちゅう線で代替したが、チェコ製の実機のそれは付け根から先端まで同じ太さに見えるので、これでOKだ。




塗装はほぼ灰色一色。塗装嫌いの私にピッタリ、と思って塗ったのだが、やはり模型的に見栄えがしない。自業自得である。水性塗料の筆塗りというだけで、特に説明することはない。
さて完成したが、この機体のカウリングはもっと太くて短いような気がする(=機首が似ていない)。風防の最前部の立ち上がり、後部の丸め方、断面形も感じが違う(=風防が似ていない)。側面から見れば機体の軸線がブレているみたいだ(=側面形が歪んでいる)。
これらが合わさってあんまり似ていないんじゃないか、と思う・・・と思う、のだが東欧の練習機に興味ある人はごく少ないし、キットだって種類がある訳じゃない。似ていないことを分かっていて組んだのだろうと言われればその通りで、バQも作ったくらいだから好きな飛行機なんだろうと言われれば、これもその通りである。結局は、「これでいいや」である。。


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