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ノースロップ CF116 (F-5B)
(マッチボックス 1/72)

by 加藤 寛之



マッチボックスはキットに当り外れがある。ふつうはハズレで、ときどきアタリが出る。それはそれとして、私はどっちでも面白い。つまり、マッチボックスが好きなのだ。
キットの内壁に「1973」の刻印があった。40年前である。古いことは特に問題ではないが、どうしてこんなにも似ていないのか。機首から風防周りだけを見たら、何という飛行機か分からない。
F-5のうねるような機首形状はまったく再現されていないし、風防の立ち上がりからの膨らみ方も全然似ていない。ここまでくると、まるで新型機。実機のイメージと全く結びつかなから「似ているか、似ていないのか」という判断回路が機能せず、いつのまにか「こういう飛行機だ」へと意識がすり替わり、やがて完成した。



コックピットは、椅子2コだけである。簡単でいい。機体の白とのメリハリをつけるために椅子と内壁をタイヤブラックで塗っておく。確実に3点姿勢をとらせるために、釣り道具屋さんで買ってきた小さな鉛を機首に入れておく。これだけの工程で胴体左右を接着できる。胴体をいかに早く組むかが飛行機プラモ完成にとって大切なことだから、マッチボックスはそこをよく理解していた設計なのだ。胴体に風防の透明部品をのせてみると、だいぶ合いが悪い。胴体を削ったり、プラバンを足したりなどして、どうやらOKとしておく。前部のつながりに難は残るが、もうこれでいい。 次にエアインテークを胴体につけるのだが、これがとんでもない肉厚だ。まあ、それらしく薄く整形しておく。エンジン排気口は左右を連結一体成型するというお気軽さ。しかも左右がくっついているのが丸見えで、さすがに“こりゃ、ちょっとね”と思って中央にノコを入れて隙間をあけた。当然のことながら穴が開いてしまった。余計なことをしなければ良かったと反省はしたが、穴埋め改修などはしない。



主翼と水平尾翼は左右一体成型だが、これは簡単にガッチリと組めるよい構造である。前縁と後縁をスッキリと整形するだけで、ずっとカッコ良くなる。翼端タンクはコークボトル型(懐かしい表現だ)になっているが、これは誤り。実機の外側はへこんでいない。 機首がまったく似ていないのだから翼端タンクの形なんて些細なことなのだが、軽く外側を削ってちょっとそんな感じにする。垂直尾翼はというと、前縁が第2次大戦機以上にボッテリと厚い。とりあえず前縁付近だけでも削って薄く見えるようにした。ジェット機だからね。



塗装は、今年のSLB展示会のテーマのひとつが「白」なので、なにも考えずに(本当は、そのために作ったのだが)GSIクレオスの水性塗料で「つや消し白」を塗った。この色はゴソゴソした感じに塗り上がってしまうけれども、乾いてから木綿のぼろきれで擦るとゴソゴソ感がなくなる。さらに缶スプレーの「トップコート半光沢」を噴けば、まあ見られるようになる。デカールにはちょっと困った。ノリが黄色く変色していたし、フィルムも硬い。黄変は仕方がないにしても、硬いのは扱いにくい。水性塗料は、強いマークソフターを使うと溶け出してしまうのだ。ここでは、“何とか貼りました”ということにしておく。デカールが乾いたらトップコートをシュ~と噴き、完成。
それにしても、いくら見慣れも、F-5Bを作ったという気持ちになれない。「これは何という飛行機だろうか」と思いながら、今日も白い機体を眺めている。

私のキット評(5段階)
精密さ・正確さ ★
作る楽しさ   ★★★★
完成品の珍しさ ★★★★★
総合お薦め度  ★★




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Vol 51 2013 March.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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