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オーロラ・グラフィティ 
No.3:複葉機キット(1)

解説:R.P.K.

 1956年から発売されたオーロラ社の1/48航空機は、魅力的な箱絵と異なり実機とかけ離れたガッカリする第二次大戦機や現用機のキットが多かったが、第一次大戦などの複葉機シリーズは総じて良い出来でした。プラモ創生期で三共の1/150ピーナツ・シリーズが小遣いで買える頃に輸入品は高価だし、複葉機はマイナーアイテムだったから年配モデラーしか作れず、1$が360円の頃にオーロラのE.IIIが25$もした時代です。戦争映画も第二次大戦ばかりで、「地獄の天使」や「ウィリーの凱歌」など複葉機が活躍する古い映画を見る機会もありません。それでも新橋ステーションホビーへ通ってカラー図付のプロファイル・パブリケーションを1冊ずつ買い、初めて見るWWIドイツ機のローゼンジ・パターンの色彩に驚きました。 1966年公開の「ブルーマックス」は、飛行可能な復元機のファルツD.IIIやフォッカーDr.I、D.VIIなどがイギリス空軍のRE.8やSE.5と迫力ある空戦を繰り広げ、最後はパラソル翼のE.Vもどきまで新鋭試作機として登場し、初めて見たアクティブな複葉機やドイツ空軍の内情が興味深くて資料やキットを買い集めてきました。今回はコレクションの中から1956年版の初期キット、バキュームフォームのチャチな飾りベースが入った1972年版、デカールが一新されてフィギュアが付かなくなった1976年版、番外編でマルサンなどのパクリ・キットや搭載機銃の1/6キットなどを4回に分けて紹介していきます。

1) 1925年からアメリカで使用されたダグラスM-2郵便機の珍しいキットは、車止めが付いたベースと整備員が付き赤いメタリックと黒い成型色でマークもモールドされている。




2) 第一次大戦が終結する7ヶ月前の1918年4月に部隊配備されたドイツ空軍の新鋭フォッカーD.VIIは、車止めを外す地上員も付くが主役2機とも炎上して撃墜される箱絵に驚く。




3) エンジンが回転するフランスのニューポールNi-28は、アメリカ義勇ラファイエット中隊も使用している。キットは翼下面の羽布リブ表現がないオーロラWWIスタンダードだ。




4) 1916年11月から翌年夏までの短期間だけ軽快な運動性を生かして活躍したソッピース・トリプレーン3葉機はイギリス海軍の有名なBフライトのマーキングで、フィギュア2体が付く。




5) フランスの主力爆撃機ブレゲー14は戦後の1926年まで生産され、各国で輸送機としても使われている。主翼を押す2名の地上員が付き、主翼下面にリブのモールドがある。




6) ドイツ空軍が多用した複座地上攻撃機のハルベルシュタットCL.IIは、キット化されると思わなかった地味な機体で主翼下面モールドもありフィギュア3体が付いている。




7) 初めてプロペラ回転と同調して前方を射撃できるフォッカーE.III単葉機が登場し、射撃精度が飛躍的に向上して1915年夏から無敵を誇った。1963年に発売されたキットで主翼のモールドも良くなり、機体の尾部を担いで移動させる整備員のフィギュアが面白い。




8)1928年にアメリカ陸軍の第27追撃飛行隊「ダイビング・ホーク」が装備したボーイングP-12Eは、主翼下面のモールドはないが車止めベースと展示スタンドが付いている。




9) 1929年にアメリカ海軍が採用したボーイングF-4Bは1938年にグラマンF-3Fと交代するまで航空母艦に搭載され、その後は無線誘導の標的機となった。キットは陸軍向けP-12Eと同じアクセサリーが付く。



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