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誌上個展

フェアリーガネット AS.Mk.14 (トランペッター 1/72)

by 厚木の助さん



 お久しぶりでございます。厚木の助でございます。
 今回のNATOというお題を聞きまして、どっちみちだったら冷戦時代をやりたいと思いまして、北大西洋を舞台に東側陣営の潜水艦を追い立てるとすれば、対潜機。とすれば これしか、ないでしょうという訳で、ガネットの製作となりました。
 4月号で作りましたフロッグのソードフィッシュは魚雷を胴体下に抱く雷撃機でありましたが、ガネットはその流れは一応汲むものの、胴体内爆弾倉に魚雷を収納できるようになっておりまして、どっちかというとグラマンのアベンジャーのイギリス版という色合いが濃いように思われます。 そういう意味では3座で中翼と 全体レイアウトもアベンジャーに似ております。
 ただ、反骨精神のジョンブル塊を発揮してか、前脚、レシプロではなく2基のターボプロップ・エンジンを連結したアームストロング・シドレー・ダブルマンバ・エンジンを装備して二重反転プロペラを駆動する方式を採用している所に、2次大戦以降の近代化の片鱗が見られます。右を向けばハンター、左を向けばキラーと両性の機能を兼ね備えておりまして 胴体後部下に索敵センサーが格納されており、索敵作戦行動中はウイーンと下がってくるのであります。
 プラモデルキットを眺めてみますと 1/72では往年のフロッグ謹製さらし首バージョンが最も有名であります。ここに近年 マカオから中国大陸に少し入った中山市のトランペッターブランドが精力的にイギリス機シリーズをリリースしておりまして、今回のガネットもその中の1機であります。
 一方 1/48の世界では 1980年代のことですがダイナベクターというイギリスで日本人が経営するバキュームメ-カーから素晴らしいキットが発売されていたことがあり、一度 東京の有名プラモクラブの展示会で名人の手による完成品をみかけたことがございますが、そりゃ 素晴らしいものでございました。

その素晴らしいイメージを胸に、今回の製作を始めたのではございました。



 で、結果は? といいますと、前脚ですので大量のオモリを積んだつもりではいたのですが、見事にシリモチをつきました。後部センサーを支えがわりに下す羽目になってしまい、こんなハラボテ姿をさらすとは切腹でもしたい気持ちで一杯でございます。  製作はさすが竹のカーテンの向こうの中国製、最初から苦労の連続でございました。

 まず、近代のCAD設計でばっちりと部品の合いがよさそうなものですが、「合いそうで合わずはなんとやら」。
 塗装をしようとしても 塗料を 「アラッイヤダ!!」 と はじいてしまい、もう一度 シンナーをつけてストリップする始末であります。 「モウチョットなんとかならんのですか」と ぼやきつつの製作と相成りました。



それでもなんとか 完成にこぎつけました。
キットの塗装指示には 上面 Mrカラー特色331 ダークシーグレー、下面 26 ダッグエッググリーンと指定されておりますが、上面にはグンゼ特色333 エクストラ(ダーク)シーグレーを使わせていただきました。
そういえば No26 ダッグエッググリーンは店頭でもあまりみかけないような気がいたします。これからは税金も上がる一方ですので よく使う色は自分で在庫する 庶民の生活自衛も必要なアベノミクス時代となってまいりました。切ないことでございます。



フラップはせっかく可動状態にできるようにサービスパーツがついておりますので、下げてみました。デカールはすんなりと使えております。
何はともあれ 完成であります。そのお姿はというと 立てば芍薬、座れば牡丹にならないとしても、 軍用機であるにかかわらず精悍さからはほど遠く、ハラボテフグのようでありますね。
webmodelers2010年6月号にガネットの写真特集がありまして参考にさせていただきましたが、完成したトラペものは本物とはなんか精悍さが違う佇まいです。ウーン やはりこれが形は似せられても本質まではつかみきれない中国製の限界でありましょうか。
ご隠居さんに聞いた話によりますと、中国ではお姿はIPHONE、中身はアンドロイドなどという まがい物もそれはたくさん横行していたそうであります。 そんなものはこのガネットもろとも某周辺諸島海域で撃沈すべしでありますね。 
そろそろ お後も宜しいようで、
失礼つかまつります。



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Vol 57 2013 July    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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