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誌上個展

「鉄牛前へ!」

by オンケル・ハイニ

まいど、ハイニでおます。
日独AFVと言う事で、大東亜戦争を通じての大日本帝国陸軍の主力戦車「九七式中戦車(チハ車)」です。



九七式の現在での評価は、貧弱な火力と弱装甲で「鉄の棺桶」と言われる事も多々あります。
しかし、九七式の誕生は、ドイツ軍でもⅢ号戦車の初期の物と同時期であり、砲威力はともかく装甲厚、機動力では、けっして見劣りするものではありません。
デビュー戦とも言える、ノモンハン事件では、日・ソ両軍中最も装甲の厚い戦闘車両でもありました。
1939年から終戦まで主力で使い続ける方に問題がある、と言えばその通りですが、圧倒的な米軍相手に四式や五式があったとしても、戦局にさしたる影響があったとも思えませんし…。
まあ、WWⅡでの日本軍のAFVの話をすると、暗くなるだけですので、キットの方に話を変えます。



キットはタミヤの1/35で、タミヤのM・Mシリーズ中最も脂の乗った時期の傑作キットと言えると思います。



今回はモールドされたサスペンションをレザーソーなどで丁寧に切り離し切り離した、サスのパ-ツに0.3㎜のプラ板で裏打ちをして、太めの真鍮線で車体に再度取り付けて、角度を付けて接着しサスペンションが効いている状態にしています。



旧軍の戦車はコイルサスペンションを採用しており、コイルの角度も変更が必要になりますが、パーツの一部をカットするだけで、容易に変更できます。 今回車体前部が持ち上がっているようにしたのですが、苦労の割に目立たない結果になりました。
地面を凸凹にして、それに合わせるようにした方が良かったと思います。



サスペンション以外はさして手を入れていません。
左前部のフェンダーに穴をあけてやったり、主砲防楯の上部にリベットを追加した程度です。



塗装にはMrカラーの日本陸軍戦車前期迷彩セットを使用しました。
塗装で一番手がかかるのは黄帯です。
旧日本軍の戦車は昭和17年の「兵器仮迷彩要領」が発布されるまで、蛇行した黄帯を塗っています。



これは、暗色系の迷彩塗装に、明色のラインを入れることで、分割線として、形状を分かりにくくする効果を求めたものと言われています。 効果のほどはと言うと…、なんで昭和17年まで採用するかなァ…。



本来子のビネットは九七式のもっとも有名な写真の1枚である、蘇鉄の樹を押し倒しながら前進する場面を再現してやろうと思いながら、未だに完成に至っておりません。
誠にお粗末で申し訳ありません。



近いうちに中国戦線の八九式中戦車をやってみたいとは思っていますが、いつになる事やら…。


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