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誌上個展

ニチモが輝いていた時代

by 怪傑Helper

どうも、朝晩はめっきりと涼しくなった今日この頃ですが皆様いかがお過ごしでありましょう?

今回の特集はニチモという事で、しばしの時間おやじモデラーの思いで話にお付き合い下さい。

私にとってニチモのキットは、少々手強いマニア向けといったイメージがあります。
そのイメージを決定付けたのは艦船モデル、その中でも現在においてもフラッグシップとされる1/200の大和の存在が大きいですね。
実際に入手したことはないのですが、その大きさと価格は今現在においても恐れ多いものでありすねぇ。

当時艦船モデルをやってらっしゃる方はソリッドモデルからプラへと移行してきた大ベテランの方々も多く、それらの方々はキットをあくまでも素材としてとらえており、その完成品の素晴らしさは当時お子様だった私にとっては別次元のものにしか見えませんでした。
そのあたりもマニア向けといったイメージをより印象付けたのでありましょう。

ニチモは大和級戦艦に対しての思いが強いのか、小は30㎝シリーズのものから最大の1/200までの各スケールで常に最新の考証(企画、設計年次に於ける)を取り入れて再現されておりました。





特に1/700大和はハル部品をプラ版に挿げ替えることによって、WLシリーズの大和をより正確なものにアップグレードできるという使命を持っていたことは、公然の秘密(あくまでも噂…)となっておりました。
その後タミヤがリニューアル版を出したためその使命を終えましたが、印象深いキットでありました。


お次は空もの、今だ再版される1/48エアモデル、このシリーズはマルサンの遺産である海外メーカーのコピー品と橋本喜久雄氏設計の傑作『零式三座水偵』、そしてニチモオリジナル品とがあります。
ニチモオリジナルのものは、評価の高いものばかりで一式戦はハセガワのものよりもニチモを推すというおじ様たちが多いんですよね。
旧マルサン製品の中でも橋本喜久雄氏設計の100式司偵とF-86Dの金型を譲り受けることはできなかったのですが、ニチモがこの金型を所有していればいまだ現役で入手することができた可能性があっただけに残念な事でありました。





エアモデルの最高峰としては1/20のエアロスバルが上げられるでしょうか、とにかくその箱の大きさとパッケージングの豪華さは模型店の中でもひときわ輝いておりました。
スケールからいうとカーモデルの延長線上にあるのですが、戦後日本の航空機メーカーが自動車製造に鞍替えした事実を勘案すると同列に扱うことも有りかなとも思います。





 当時のカーモデルは現在と異なりモーターライズ前提のトイ的な位置にありましたがニチモの1/20シリーズのものは、その大きさを利して実車に準ずる可動ギミックを持ちながらも、スケールモデル寄りの本格的なものでありました。
特にエンジンにモーターを内蔵してプロペラシャフトにより後輪を駆動するシステムは実車そのもので、まるで実車を所有するかのような思いを体験させてくれたものです。

エアロスバルをモデル化しておきながらレオーネをモデル化しなかったのは駆動方式がFF/4WDだったからなのか…?





また、ニチモ製品の素晴らしさはボックスアートにも表れており、中西立太画伯、高荷義之画伯の描かれるドラマチックな作品は当時の少年たちの目をくぎ付けにしたものです。





往時の勢いはなくなったものの時折再版されるキットを、少年の頃にタイムスリップさせてくれるタイムマシンのように思えるおじ様世代も多いのではないでしょうか

全盛時のニチモは先に記した艦船、飛行機、カーモデルの他AFV、キャラクター物の他ミュージック(楽器)シリーズ等今でも十分商品価値のあるシリーズを擁し総合模型メーカーとして光り輝いておりました。

以下はその高級志向のニチモ製品のボトムラインを担当するニュープラペットシリーズの一部であります。





これは先に記したものと同様にマルサンから移管された金型でありまして、スケールは1/100売値は50円で模型店のほか駄菓子屋や文具店でも見かけられたものでした。





50円とはいえそこはニチモ、ボックスアートの素晴らしさはその価格を超えたもので、デザインも含め今改めて見ても十分魅力的です。







以上ざっくりではありますが、ニチモの思い出話でありました。



ストック棚のニチモ製品在庫の一部


ニチモ関係者の方々には、新製品の開発はできなくともニチモの灯を消さないように頑張ってもらいたいと思います。

記憶に基づいて綴った文章でありますので、訂正等ありましたら掲示板にでもお寄せください。

それでは、また。



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Vol60 2013 October  www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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