Home　 > 砂漠のフォッケウルフ 　　 砂漠のフォッケウルフ by 愛知県在住　作者　清水　栄治 ■作品について この作品は今から１２年前(２００１年)にハセガワのＪMCに出典した作品です。先回に続き第二次世界大戦で活躍したドイツの戦闘機を選びました。キットの作りやすさとインパクトを考慮してハセガワの１/３２に決めました。当然飛行機単体ではなく情景の中での飛行機とそれに付随して情景を引き立てるものを考えました。飛行機には滑走路がつきものですが、通常は草原または舗装されたコンクリートかアスファルトになりますが何か他のものを作ってみたく砂漠を表現してみようと思いました。 又偶然ドラゴン社から砂漠で休憩する兵士が発売されグットタイミングでした。情景をイメージするのにあたりドイツ空軍がアフリカ戦線で活躍した写真集のストックがあったのでそのなから見栄えのあるものを選びました。今回は平面だけではなく縦方向を強調するためにエンジンブロックをつりさげるための三脚を配置し立体感を強調することにしました。 ■飛行機キットについて ハセガワ製１/３２シリーズのグレードアップキットを使用しました。キットはそつなくハセガワらしく機体表面は凸リベット仕上げ、パネルラインは全て凸仕上げ。ギミック類は一切なく、１/４８スケールをそのまま拡大して部品数を抑えて作りやすさに重点を置いたキットでした。グレードアップバージョンとしてプロペラ、ラジエター、足回りなどが金属部品に置き換えられた見栄えのあるキット内容でした。飛行機は「アエロ・ディテール」を基にエンジン、機関銃、胴体内無線機先などフルスクラッチ、補助翼は切り離し可動状態に加工、機体はパネルラインを筋ぼりに掘り直し凸リベットはそのままにしました。 コクピットは追加工作を施しました。エンジンラジエターの再現にはどの程度するかに時間を費やし大変苦労したところでした。フルスクラッチの材料は全てタミヤ製のプラ材を使用しており市販の（レジン、エッチング等）ものは一切使用しておりません。塗装はキットの説明どおりラッカー系塗料でエアブラシ迷彩を施しました。その後キット付属のデカールを貼り筋ぼり個所にエナメル系塗料で墨入れを入れました。仕上げにラッカー系の艶消しクリアーで全体の艶調整を行いました。 ■兵士等ついて 兵士はドラゴン社製の１/３５サイズでストレートに作ってあります。体の動きに変化があり情景にはよく映えるキットと思われました。塗装はエナメル系を使用してドライブラシを効かせてあります。エンジンブロック用の三脚は資料を基にプラ棒と伸ばしランナーでフルスクラッチ、チェーンはスクラッチ出来ずストック材を使用しています。塗装はエナメル系を使用し筆塗りで仕上げています。 片隅にある魚雷、爆弾も写真資料を基にフルスクラッチし、プラ棒プラ材を使用しています。塗装はラッカー系のエアブラシで仕上げています。この爆弾は大変珍しい形で是非今回作ってみたくて情景の一点に付け加えました。魚雷、爆弾などに関する資料は少なく、写真では数点載っていますが寸法に関するデータなどほとんど無く、想定で作りこんであります。並べてみるとバランスに違和感はなくまあまあの出来ではないかと思います。 ■その他情景について 情景台が四角で少し変化を付けたくて、あえて形を崩してみました。砂漠を表現するにあたり材質の選択に悩みました。砂の粒形をどの程度にするか又その粒形に似合ったものは何があるかなどあれこれ試行錯誤した結果本物の砂を使うことにしました。それも粒をそろえるために調理で使用する網（こし器）を購入しました。 そして河原の砂をこして台座の上に木工ボンドを薄くまんべんなく塗りその上に砂をふりかけ定着させました。塗装はラッカー系のエアブラシでサンドイエローにオレンジを混ぜて少しオレンジぽっく又艶を強く消した状態にしました。やはり粒がまだ大きいような感じですが雰囲気は出たと思います。砂上に敷き詰めた板はバルサ材を使用して木質系の出る色合いに仕上げています。 ■全体をとおして 製作には２００時間くらいかかったと思います。今回は従来と違った表現を意図して立体感をだすこと、型にはまった情景から抜け出すことにポイントを置きましたがそのようにできあがったと思われます。 砂漠の表現は悩むところで更なる再現度が求められるところです。この作品もＪＭＣで特別賞をもらった思い出のある作品でした。 　　Home> 砂漠のフォッケウルフ

Vol60 2013 October.　　　 www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved　/editor　Hiromichi Taguchi　田口博通
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