第一次大戦において武器が飛躍的に進歩し、歩兵や騎兵の突撃は機関銃に阻まれて困難となり塹壕陣地で対峙すると前線は膠着、羽布張り航空機による低空偵察や地上支援も地上からの銃火により甚大な損害を受けるようになった。ドイツのヒューゴ・ユンカースは独自に考案した波状金属板を翼の外皮に張り、金属パイプ構造の胴体も金属張りとした単葉機を開発して1915年12月に初飛行させた。その後も全金属製機の試作を重ね、D.I単座戦闘機やCL.I複座地上攻撃機を生産して実戦部隊に配備される。 |
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1917年初めに初飛行したJ.Iは金属製1葉半の複葉機だが低空任務用にエンジンと2名の乗員を装甲板で保護し、出力200hpのベンツ水冷エンジンを搭載して2175kgの自重ながら155km/hの最大速度、310kmの航続力を持つ。任務に応じて機首スパンドウ機銃2挺や航空カメラ、無線機を搭載して偵察や地上攻撃、物資投下などに使用され、1918年初めから最多時は189機が配備されている。進歩的な全金属機も被弾に強いが鈍足過ぎて低空任務には向かず、重い機体は離陸距離も長くゴツゴツした外見から兵士達に「家具運搬車」と呼ばれた。 |