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ユンカース J.I
W.W.I ドイツ空軍 全金属製 直協機
(エデュアルド 1/72)

解説:R.P.K.

ずっと素晴らしい手本になる作例を連載されていたYoshiyukiさんが、ここしばらく第一次大戦の複葉機をお休みされているのでウォーバード好きとしては寂しい限りです。 そこで今回は溜め込んでいたストックのエデュアルド1/72W.W.Iシリーズの中から、張り線も少なく出来も良いユンカースJ.I直協機を急いで作ってみました。


第一次大戦において武器が飛躍的に進歩し、歩兵や騎兵の突撃は機関銃に阻まれて困難となり塹壕陣地で対峙すると前線は膠着、羽布張り航空機による低空偵察や地上支援も地上からの銃火により甚大な損害を受けるようになった。ドイツのヒューゴ・ユンカースは独自に考案した波状金属板を翼の外皮に張り、金属パイプ構造の胴体も金属張りとした単葉機を開発して1915年12月に初飛行させた。その後も全金属製機の試作を重ね、D.I単座戦闘機やCL.I複座地上攻撃機を生産して実戦部隊に配備される。 1917年初めに初飛行したJ.Iは金属製1葉半の複葉機だが低空任務用にエンジンと2名の乗員を装甲板で保護し、出力200hpのベンツ水冷エンジンを搭載して2175kgの自重ながら155km/hの最大速度、310kmの航続力を持つ。任務に応じて機首スパンドウ機銃2挺や航空カメラ、無線機を搭載して偵察や地上攻撃、物資投下などに使用され、1918年初めから最多時は189機が配備されている。進歩的な全金属機も被弾に強いが鈍足過ぎて低空任務には向かず、重い機体は離陸距離も長くゴツゴツした外見から兵士達に「家具運搬車」と呼ばれた。


W.W.Iで活躍した有名機やマイナー機を1/48と1/72キットで発売しているエデュアルドは、初期キットだけ簡易インジェクションにエッチングパーツで作り辛かったが、最近はキレイなモールドで合いも良くエッチング入りとなしの廉価版が出ている。今回作ったJ.Iは廉価版だが初期型の傾斜した排気管と角型尾翼、羽布張り方向舵もパーツになり、初期と後期2種のマーキングが選べる。装甲操縦席と一体化した28ガロン燃料タンクにブリーザーパイプや肘掛、シートベルトを追加し、後部折りたたみ機銃手席のワイヤーとベルトも追加した。 後部のパラベラム7.92mm旋回機銃に照星とワイヤーを取り付け、ラジエータとエンジンのパイプを糸ハンダとエナメル線に替えた。尾翼コントロールワイヤーは黒テグスを張り、胴体と下翼を組んでから支柱を立てて逆さまに置いた上翼と調整しながら固定、瞬着で補強して強度を出す。1918年初めに西部戦線の第217(A)飛行隊のシリアルJ.I 119/18機で、飛行隊マークの帯を尾部に記入した初期型のグリーンとライトブルーの2色迷彩とした。


① 大きな主翼に小さな下翼の1葉半だが近代的な全金属製でエンジンと乗員を装甲板で地上銃火から保護している。



② 尾部に第217(A)飛行隊を表す帯と機番9、1918年製造のシリアル119を記入している。



③ 主翼と尾翼はモノコック構造にユンカース独自の波板を張って被弾にも強い。



④ 初期型は地上からの誤認を防ぐためバルカンクロスを上翼下面にも描いている。



⑤ 操縦席と一体となった装甲燃料タンクやベンツBz.VIエンジンが再現され、プロペラシャフトをシンチュウパイプで作った。



⑥ パラベラム旋回機銃に手を入れ、ラジエータパイプを糸ハンダとエナメル線に替える。



⑦ 胴体と上翼を別に仕上げておき下翼に支柱を取り付けてから上翼と連結。



⑧ 主脚と尾そり、手掛けなども仕上げておき機体を組み立て塗装後に取り付ける。



⑨ 上下翼を支柱で連結、固定してからラジエータパイプとエルロン操作ワイヤーを付けた。



⑩ 翼間支柱を調整してから接着、固定して付け根に瞬着を極少量垂らして補強する。



⑪ 車軸と脚柱は金属コイルを巻いて連結してあり離着陸時の衝撃を緩和していた。



⑫ 初期型は角型の水平尾翼と羽布張り方向舵が特徴となっている。



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