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誌上個展

キャプテン スカーレット 
スペクトラム・パトロールカー (イマイ)
Captain Scarlet Spectrum Patrol Car (Imai)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi


 ジェリー&シルビア アンダーソンは サンダーバードで一躍有名になったが、 「キャプテン スカーレット」、「ジョー90」、「ロンドン指令X」 は 後期にあたるスーパーマリオネーション作品群である。 これ以後は「謎の円盤UFO」,「スペース1999」と 実写SFになっていく。
 残念ながら キャプテン・スカーレットは ストーリーが複雑なのに比べ、登場メカが逆に地味でインパクトに欠け、サンダーバードに比べると 今一つ大ヒットとはならなかった。
 日本では キャプテンスカーレットシリーズは1960年代にイマイから 追跡戦闘車、パトロールカー、秘密コンテナ車、スペクトラムヘリコプター、エンゼル機 が発売されていた。




 この懐かしのイマイのキャプテンスカーレットのスペクトラム・パトロール車。毎回のように登場する主要メカだ。 現代では地味なスタイルに感じるのは、ジョー90マックスカーのようにぶっ飛んだスタイルではなく、伝統的な車のスタイルをしているからだ。5人乗りのセダン防弾車で、 もちろん、空を飛ぶわけでもなく、当たり前に道路を走るのである。ボンネットに マシンガンとミサイル、また1960年代当時の設定としては珍しいレーザーキャノンを装備する。
 
 実車?の資料は
「ファンタスティック コレクション スペシャル 
キャプテンスカーレット&ジョー90アルバム」という伊藤秀明さんの編集された本が朝日ソノラマから2005年に出版されていて、大変参考になる。
 書店店頭には既にないが、図書館には結構あるので、調べてみるといいだろう。 
 キットそのものは1/24くらいの大きさで、意外とボリュームがある。 イマイの廃業に同期して当然ながら既に絶版。
 とはいっても、ヤフオクで結構出回っており、幸いにも定価以下の値段で手に入れた。
 サンダーバードシリーズが相次いでアオシマから再販されている昨今、キャプテンスカーレットシリーズもいつか再販されるかもしれないから、それを期待しよう。

  箱絵


製作

 シャーシーの動力は懐かしのゼンマイである。しっかりと可動するのはさすがイマイだ。
 コクピット内は、座席も何もないが、ウインドーが透明ブラック成形なので、ほとんど見えないから許して上げよう。
シートを自作したい方は、先述の資料本が大変参考になる。ちなみにシートは黒ビニール皮。コクピット内装は明るいグレー、ステアリングはウッドとなっている。
 
 前輪はちゃんとステアリングするような機構がついているのはイマイの標準でありがたい教育的配慮だ。ストッパーもきちんと効いていて かちゃかちゃと動き、子供心にも凄いなと思った記憶がある。

 
また、ヘッドライトからミサイルが発射できるように発射メカを組み込むのだが、その発射棒がボンネットから頭を出す。プッシュすれば、ミサイルのストッパーがはずれて、バネじかけでミサイルが発射されるという仕掛けだ。
 
 ボディのボンネット穴から黒い棒が2本突き出しているのは なんとも 素朴で、これぞ60年代の少年のオモチャといった感じだった。 


 



 とはいっても、1960年代の元少年は 21世紀にはとっくに良い歳の大人になってしまっているため、貴重な絶版キットをスケールモデルにしたいという邪念が耳元でささやく。今回は邪念のささやきに負け、涙を呑んで ボディスタイルを優先し、穴を埋めることにした。
 ボンネットの穴には裏からプラ板を貼りつけ、穴をパテで埋め きれいに成形した。
 
 ボディは赤成形で TOPの垂直尾翼?が 黒色のプラスチックのため、ボディ塗装前に、色を合わせるために、全面をピンクか白で下塗りしておこう。
 ボディは モンザレッドに吹き付け塗装し、モールメッキはアルミ箔を貼った。
ボディのメッキラインとヘッドライトのトリムはアルミテープを細切りにして貼ってみた。
また、エアインテークの開口が気になる方は後ろにダクトを追加しておくといいだろう。


シャーシーとボディを合わせてみると、ぜんまいメカの金属板が透けて見える。  ここは黒く塗ったプラ板でゼンマイカバーを作っておこう。



こうすれば、内部は見えない。


 スペクトラム のデカールを貼り、アンテナを0.3mm洋白線で追加すれば 見事完成。
 こうやって眺めると、やはり実車は普通にありそうだ。
ボンネットのスタイルは60年代のポンティアック、後部は バンといった感じで どことなくノスタルジックにさえ感じる。
上部の垂直フィンを収納すれば、覆面スペクトラム・パトカー ? ロンドンの街にすーっと溶け込んでしまうかもしれない。
 このパトロール車は 放映時期から100年先未来の2068年就役という設定になっているのだが、2014年の現代の方がデザイン・トレンドは はるかに先に時代が進んでいるのである。





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Vol.63 2014 January.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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