名は体を表すと言うか兄弟でもこうも違うかと思わせるという飛行機にアメリカ空軍が運用していた「B-66デストロイヤー(破壊者)」が有る。
冷戦初頭に米国海軍が大型の核爆弾を空母から運用するためにダグラス社に開発させた大型核攻撃機{A-3スカイウオリィアー}の成功に目を着けた米国空軍は先に開発配備を進めていたマーチンB-57(英国キャンベラのライセンス生産機)に不満を持っていたのでこれに代わる機体としてA-3の空軍版を開発するようにダグラス社に指示した。
指示を受けダグラス社の空軍部門であるロングビーチ部門で開発が行われたが空軍の要望に合わせて開発を進めるうちに 引き締まっていた身体(機体)は次第に贅肉が着き主翼の形状変更やエンジンの変更におけるエンジンポットの形状の変化や視界不良を是背するために大きくされたキヤノピー等マッチョなイメージが強くなった本機はまさに「デストロィヤー」と名前が相応しくなった。
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本来爆撃機として開発された機体だが、1950年から53年に渡り起きた朝鮮戦争下での空軍の偵察機の苦戦ぶりを痛感した当局の要望で偵察型RB-66が先に開発配備される運びになった。元々大型の核爆弾を搭載するために広く作られた機体内部には偵察機材や要員を収容するには打ってつけで本機の生産機の殆んどは偵察機とその後ベトナム戦争で運用される電子作戦機が占める事になった。
爆撃型として生産された機体もあるが数は少なく本来の爆撃任務ではなくパスファイダー(先導機)として主に運用され地味ではあるが無くてはならない裏方として米空軍の作戦に貢献した。
諸元
全長 22.92m
全幅 22.1m
運用自重 26.218kg
最大速度 1、016km
戦闘行動範囲 1、450km |