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フォッカー D.XXI (MPM 1/72)

by R.P.K.

 第二次大戦の緒戦でドイツ軍に敗れたオランダは、冬の戦いで活躍したフィンランド空軍のフォッカーD.21や双胴のG.I戦闘機、T-8水上雷撃機などを装備していました。フォッカーD.21の1/72キットはフロッグから発売されていましたが、その後トルコのパイオニアから脚のスキー・パーツが入って再販されています。 今回はチェコMPMの1/72簡易インジェクション「D.21オランダ防空」を作ってみましょう。作例は3種のマーキングからドイツ侵攻前の1939年10月、オランダ陸軍・第1戦闘機飛行隊所属の237号機として、コクピット内部や各所に手を入れてみました。モールドは良いが簡易インジェクション・キットなので各パーツを調整して、密着性は高く薄くて破れ易いデカールに要注意です。


 第一次大戦で中立だったオランダは国防予算を削減して陸軍航空隊も縮小されていたが、ナチスドイツの台頭による情勢の緊迫化で軍事力の強化をはかるが、第二次大戦前には航空機121機しか運用できなかった。 1940年5月に優勢で強力なドイツ軍がオランダへ侵攻すると、交戦や地上における空襲で壊滅、わずかなパイロットがイギリスへ脱出して空軍に加わり戦い続けている。


 オランダ領東インド陸軍航空隊の要求により開発されたフォッカーD.21単座戦闘機は、木金混合の固定脚に7.9mm機銃4挺を装備、出力830hpの空冷エンジンを搭載して最大速度は460km/h、1936年2月に初飛行した。1937年5月にオランダ陸軍航空隊は36機を発注、ドイツ侵攻時には29機が稼動状態だったがほとんど地上で破壊された。 少数はBf109Eと交戦して4機を撃墜している。フィンランドは輸入した7機とライセンス生産した90機を改良、冬の戦いで侵攻して来たソ連機を多数撃墜した。


① フロッグから発売されていたD.21は凸モールドにコクピット内はシートとパイロットのみ、動翼は全て別パーツになっていてオランダとフィンランドのデカールが選べる。



② パイオニアはフロッグのキットにフィンランド空軍用スキー・パーツが新たに追加された。



③ MPMはスキー脚が付きカウリングとキャノピーが開けられる「フィンランド」のハイテック版もあるが、今回はプロペラ基部がレジン製のスタンダード版「オランダ防空」を作ってみた。



④ 主翼両側に着陸灯と機銃が装備され、独特のピトー管や望遠鏡式照準器を持っている。



⑤ 1939年10月にそれまでの3色ラウンデルから黒縁オレンジ三角形の国籍マークに変更された。



⑥ 主翼下面のモールドを修正して機銃の排莢口を彫り、排気管やオイルクーラー、脚を取り付ける。



⑦ オランダ陸軍航空隊の3色標準塗装はカーキー(FS-20266)、ダークグリーン(FS-24109)、ダークブラウン(FS-30111)で、下面はダークブラウン、内部はライトグリーン(FS-34227)となっている。



⑧ プロペラ・シャフトや機銃、アンテナをシンチュウ材に替え、コクピット後部は伸ばしランナーで鋼管構造に作り変えた。



⑨ カウリングの位置を調整して排気管を正しく取り付け、照準器にシンチュウ線で照門を追加。



⑩ 昇降舵のコントロールホーンをプラ材で、上部の張り線とアンテナ線基部をシンチュウ線で作り黒テグスの空中線を張る。



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