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誌上個展

『Revell GenerationⅡ』

by 怪傑Helper

 レベル1/32特集ということで、親父の昔話にしばしお付き合いください。

レベルの1/32シリーズといえば、昭和30年代生まれの親父世代にとっては、グンゼ/レベル版が最も身近で手に取ることができたものだったと思います。

グンゼ/レベル版は、キットそのものの素晴らしさだけに止まらず、厚みのある大きな箱のトップを飾る素晴らしいボックスアート、橋本喜久男氏監修の日本語版インスト(改造のヒントや各型の側面図等まであるものも!)、さらに同氏の筆によるカラー側面図等々により、組み立てる前からのワクワク感を存分に味合わせてくれるものだったのは、リアルタイムで経験されたことがある方にはお分かりいただけるかと思います。




ボックスアートの中でも夜戦を描いたものは、闇夜を表現するための背景が日本人の感性とは違った色味で表現されているのがとても魅力的です。
有名どころでは、1/72ランカスターの紅蓮の炎を映し出す赤系の背景やHe219のイエローオーカー系で表現される背景等があります。
それを1/32では、モスキートとボーファイターが魅(見)せてくれています。






さらに圧巻はMe262Bのライトグリーンの背景…




闇を表現するのにも、オーソドックスなグスタフをはじめ四種四様見て取れます。
キットによっては、箱絵が中身を凌駕してしまっていますね(笑)

当時はハセガワやトミーも1/32をシリーズ化しており、各社とも機種選定ではバッティングを避けてラインナップしておりましたが、Me262と零戦52型、隼Ⅱ型はハセガワと被っていました。(戦闘機型ではありませんがP-51Dミス・アメリカやイエロームスタングなんてのもありました。これは後にスミソニアンシリーズで戦闘機型としてリリース)
やはり零戦と隼は国産でやらねばとの思いがハセガワにあったのでしょうか…


そんなグンゼ/レベルの1970年代のラインナップを見てみましょう






さらにこの頃よりジェット機も加えてその隆盛はピークを迎えた感がありました。




ヘリコプターシリーズにも1/32サイズのモデルがありました。




いずれも初版のボックスアートは素晴らしいものでありましたが、特にイロコイスのものは、水田にホバリングして兵士を降ろすスリックタイプのUH-1Dを描いたもので、上空を警戒するAH-1、硝煙にかすむ背景等戦場の生々しさを感じさせ、もはやプラモデルの箱絵の域を超えたものでありました。



しかしながら70年代は第1次オイルショックの影響でキット価格がどんどん上昇してきた時期でもあります。
模型店の棚のキットに改定価格シールを貼った箱が目立ちだしたのもこの頃ですかねぇ…
ただでさえ、高価な1/32クラスの価格もどんどん上昇していきました。

その後グンゼ産業との提携も終わり、タカラ/レベルとなってからは、ラインナップも整理され、コストダウンのため箱もしょぼくなり、カラー側面図もオミットされ、インストも更新されたため往時の輝きはなくなってしまいました。

それとともに主流が1/48にシフトされて1/32は衰退していくのであります。


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Vol.75  2014 November.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
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