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誌上個展

 彗星 フィリピン海戦 空母瑞鳳搭載機 
(AZモデル 1/72)

by 寿




・チェコのメーカーでも一、二を争う日本機好き(と勝手に解釈してる)のAZモデル。出来が良いのは知ってたけれど、お値段が中々お高いので手を出しにくかったのですが、この1/72の彗星は2000円強の価格なので割とリーズナブル。お陰で思わず買っちゃいましたよ、コレ。日本のメーカーでも1/72の彗星ってのは遠い昔に出たっきりのキットばっかりだったし、「こりゃあ丁度ええわい」的なノリで。  出来は良いです、割と。本格的なインジェクションにも負けないモールドの精度といい、翼端の薄さといい、プロポーションのとらえ方といい、標準以上の出来栄えです。なんだか箱から出した途端、「作れ~作れ~」のオーラがムンムンする好感触のキットでございますよ。第一風防もきっちり三種類入っているしね。




 自社のスキルを無視した懲り具合といい、彗星の全てのバリエーションをパーツ化し1セットにしてしまっているところといい、このキットを設計した人の熱意がバシバシ伝わってきますぜ。いいなぁ、こんな感じ。設計者の個性っつーか、サービス精神旺盛っつーか、何だか日本のメーカーが忘れてしまったものがまんま詰まっている気がします。まぁ、キット自体の精度がそれなりで、情熱が空回りしてるっぽい所はご愛敬なんですけどね。
 でもプロポーション自体は良好なので、ツボさえ抑えておけばかっちょいい彗星が姿を現す、って寸法でございますよ。
 このキットの最大の難所が、実は機体内部。計器板だのシートだの機銃だのを、何も考えずに貼り着けていると左右の胴体を貼り合わせる事が出来ません。簡易インジェクションによくあるパターンではございますが、パーツ自体の厚みや抜きの精度が考慮されてない部分がありますので、仮付け仮組の繰り返しでクリアするしかありませんなぁ。でもそこさえクリアしたら、後はもう一気に進みます。士の字までくみ上げて塗装して、だだだーっと。


 今回はタミヤ製の南山と平行制作でしたので、和製液冷攻撃機二機を並べつつ同一色調で仕上げてみました。でも出来上がってから言うのもなんですが、ちょびっと色調選択をしくじったかも。出来上がったモノを見るとどうにもケバい。つや消しだと気になら無かったんですが、セミグロスで仕上げるとどうも・・・・いっそのこともう一度完全つや消しでトップコート吹くか?  ようは一番ハデな識別帯の黄色と日の丸の赤の明るさがケバく見える一因なのですよ。しょーがないので薄々に薄めたエナメルの茶色を、識別帯と日の丸を中心にうっすらとエアブラシ吹いてます。トーンを落として取り敢えずこれで良し、です。欧州の展示会での日本機の作例など、こういったケバケバ塗装もたまに見るよね?展示会じゃ目立った者勝ちって所もあるし。
 そんな訳で今回はこんなところで。

製作の詳細

(写真1) :例によってランナーに付いた状態のまま塗装開始。1/72は特に細かい部品が多いから紛失対策はいつも以上に注意が必要ですね。

(写真2) :ま、機内色はこんな感じですかね。指定色よりもやや明るめにした方がメリハリ出るってもんです。



(写真3):機首のパーツも別なんでこの時点で貼り付けてます。接合部に段差を作りたくないという単純な理由からです。胴体貼り付けてからでもいいんですけど、趣味の問題ですね。

(写真4):機内パーツの貼り付け。割と誤差の多い部品なので仮組みとすり合わせのオンパレード。

 


(写真5):取り敢えず半ば強引に接着して十の字にします。はぁ~、ここまで来れば一安心。

(写真6):セロテープでテンション出して上反角作ってます。こうしないと翼の付け根に隙間出来ちゃうのよ。



(写真7):パテ埋めで消えたモールドを彫り直し。最近ではすっかり切り出し台が筋彫り用の台座になっております。

(写真8):裏面の下塗りは三菱系の機内色で。脚庫は練り消しで埋めてます。


(写真9):中島系機内色で筆塗り。あーんど、いつものようにこの時点で茶褐色にてスミ入れ。

(写真10):ガイアカラーの灰緑色でエアブラシ。ま、下面はこんなもんじゃね。



(写真11):さて、メインイベントの上面塗装でゴザル。ガイアのみどりいろでだーっと塗った後、みどりいろとミドルストーンを混ぜた混色をムラ部分に塗っていきます。

(写真12):こんな感じね。


(写真13):アップにするとこんな感じ。うを~、きちゃねぇ~。キャノピーはマスキングがめんどくさかったのでやってません。はみ出した塗装は乾燥後につまようじでこさぎ落とします。1/72レシプロはこれで充分じゃ。

(写真14):三菱系機内色で更にリタッチ。みっともなさに拍車がかかる。コレで本当にいいのかと不安になるくらいだっ。


(写真15):下面との境界部分は灰緑色と混ぜたものでぺたぺた。

(写真16):で、これを薄めきった三菱系機内色でオーバースプレー。おお、今回この色は大活躍じゃのう。


(写真17):セミグロスでトップコートかけてデカール貼って細部をリタッチして、も一度トップコート吹けば出来上がり。やっぱ識別帯の黄色はもっとオレンジ側に振っておいた方が良かったのう。みどりいろにレモンイエロー系は目立ちすぎじゃ。

(写真18):キットの日の丸はちと色合いが趣味ではなかったので、ジャンクデカールからてきとーに持ってきました。やっぱ日の丸は朱色が入ってないと、ね。


(写真19):実は水平尾翼の偏流測定線のデカール貼りが一番難物だったのはないしょだ。しかもこのライン、実は太すぎだし・・・・

(写真20):やっぱ彗星はこのアングルが一番かっちょええのう。フジミの彗星とどっちがかっちょええかな。作り比べても面白かったかも。


(写真21):おまけの裏面。裏にまでセミグロス仕上げってのはちとやりすぎだったかしら。ま、1/72なんで細かいこと言いっこ無しってことで。




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