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飛行機プラモデルの製作

ノースアメリカン F-86F セイバー (カワイ 1/100)

  by 加藤 寛之




 本Web誌の「絶版機特集」にと準備していたのだが、諸般の事情で今月になった。スミマセン。
数年前にリサイクルショップで購入したのだが、100円だった。これは当時価格と同じ。お店によってはお宝キットでこの値段の10倍はするだろうが、普通のリサイクル品の扱いだと、やはり100円なのだ。このキット、元マルサンの金型に間違いない。友人が持っているマルサンのキットと比べると、大きなバリも表面の傷も湯流れ不良も、すべて一致した。
 箱絵のようなデカールが入っているはずはなく、米軍マークが4つだけ。それならばと、航空自衛隊「風」の塗装で作ることにした。私にとっては入間基地で見た飛行機であり、それがセイバーの姿なのだ。でも余りデカールに都合よいものがあるはずはなく、ご覧のように日の丸に白縁はなく、機番はイーグルからの転用だし、垂直尾翼のマークときたら旧日本陸軍機用だ。私はそれっぽければよいのであって、これを揃えてから、いざ製作である。




 胴体を見る。驚いたことに座席が別パーツである。これは当時としてはすごいことだ。この上のサイズでも2本の棒にお人形さんを付けるみたいなキットが多かった。これは軽く整形しておく。操縦席にある猛烈に大きいバリを外し、接着面を均す。内面をタイヤブラックで塗り、前には錘を入れて左右を接着する。垂直尾翼の前縁側には額縁のような膨らみがあるので、これは削っておく。 吸気口と排気口を整形、表面にある金型傷はサンドペーパーで軽く均す。風防が気になるのでのせてみると、これが意外なほど合う。胴体側を少々削ってOKとする。風防の左前に大きなヒケがあった。胴体をサンドペーパーで削るとこのヒケに削り屑が詰まるので、そこへ瞬間接着剤を流して固める。また削って屑を詰めて流す、また削って固める。3回くりかえしたら埋まった。これでOK。




 次は主翼。全体が薄すぎるが、まあいいか。後縁付け根の湯流れ不良は、後縁全体を真っ直ぐに削るついでにごまかす。もちろん、前縁も翼端も整形する。傷も整形する。主翼上面にある押し出しピン跡は、円形モールドであるかのようにごまかす。上反角不足は、内側中央にタテの切り込を入れて強引に上に曲げ、角度を増しておく。水平尾翼は上出来で、軽い整形で使える。  胴体と主翼は隙間があく程度で、段差は少ない。上述の削って固める方法で、隙間は簡単に埋まる。水平尾翼は胴体の穴に差し込む方式。穴の上側にあわせて接着し、下側に残る大きな穴は水性ボンドを流して埋め、その上に瞬間接着剤を流して整形しておく。




 前脚柱は金型補修でとんでもなく太くなっていた。少し細く削っておく。主脚柱は1本が途中で折れたけれども、接いだあとで脚カバーに接着して補強。増槽はそれなりに整形してOKとする。
 塗装は銀色に塗りました、でオワリ。風防はワクが胴体にあるので、風防の胴体との接着面を機内色に塗る。こうすると厚みがめだたなくなる。中を黒っぽくしてあることでなにかと見えにくいので、こういうところで黒は厚みゴマカシに寄与することになる。




 あとは、ペタペタとウソのデカールを貼って捏造塗装が完成だ。マルサンの1/100セイバーはシリーズ中の優良品だったが、なるほどそのとおりだ。先の友人が「1日で出来ます」と言っていたが、本当に出来た。これだから昔はプラモデルが面白かったのだ。  では、次は何をつくりましょうかね。簡単なのは・・・と・・・。


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