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特集  日本車

ホンダ スポーツ 800M  (旧 日東科学 1/24)

by  田口博通 Hiromichi Taguchi
自動車プラモデル



 実車について
 ホンダ スポーツ 800は 1962年10月の第9回東京モーターショーで技術展示されたS360と S500が発展したものです。
 1963年10月 S500発売、1964年11月S600発売とそのスケールアップの系譜は続き、ついに 3年後の1965年秋から791ccの S800の受注が開始されました。
 S800はアルミ合金製水平直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、70馬力/8000回転で最高速度  160kmをたたき出す 典型的なライトウエイト スポーツカーでした。
 800Mはその最終型で、安全装備(ラジアルタイヤ、前輪ディスクブレーキ、ボディ4隅のマーカー追加など)を強化し、オープントップモデルのみが、1968年から2年間 生産されています。
 シリーズのうち、S600が 1964年の第2回日本グランプリGT-1クラス(1000cc以下)で1位~6位独占の大記録を成し遂げ、日本車もここまできたかと思わせるほど、 世界的レベルへと一歩 近づいたのでした。
 さて、1962年の同ショーで S500と同時に展示されたS360は、スポーツカーとしてではなく、なんと軽トラック T-360(形式AK250)という、スーパートラックとして S500より少し早く、1963年8月に発売開始されています。30馬力ながら、市井を疾走する軽トラの皮を被ったスポーツカーというのがその実態で、当時のメカキチの心を揺さぶる伝説の軽トラックとして語り継がれています。




  今年、タミヤからも S800をリニューアルしたS600が発売になっていますが、今回 製作したのは、名キットの誉れ高い旧 日東科学 1/24 S800Mです。現在は フジミからボディ金型が改修されたS800として、発売中ですが、日東版オリジナルキットのS800Mをストックから取り出して来ました。 
 1980年代初頭のリリースながら、完全なるディスプレィキットで、ボディのフォルムが素晴らしく、現在でも第一線で通用するプラモデルだと思います。
 内容は、シャフトドライブと前後サスペンションとエンジンが簡素ながら再現されています。また、オープンカーのコクピットはコンソールだけではなく、ドアの内張り部品がついている魅力的なものでした。ソフトトップ、ハードトップの部品がコンバーティブルで選べるのも マニア心をくすぐったものでした。




 ボディは ボンネットが一体成形されており、説明書には ボンネットを開閉してエンジンを見せたい場合は、カッターナイフで切り落とすように指示がされています。  切り取ったボンネットを裏からテープで貼り、また ドア内貼りをマスキングしたうえで、赤の発色を良くするために、まず 白で下塗りしました。





 レッドは 派手な赤にしたかったので、Mrカラーのフェラーリレッドを使ってみました。このフェラーリレッドは なまめかしい赤で、吹き付け塗装後 クリアーをかけなくても充分すぎるくらいの艶がでます。 クロームモール類は 最近お気に入りの ミラーフィニュッシュ 曲面追従フィルムを使っています。





 エンジンはメッキ4部品構成の簡素なものですが、それでも アルミ合金製水平直列4気筒DOHCエンジンが簡潔に表現されていると思います。





 コクピットも簡素な構成ながら、必要充分な出来です。ハンドルとコンソールは説明書7図に実車の各部名称と、実車写真が掲載されていまして、楽しくなります。  フットカーペットは、オープンカーでは意外なアクセントとなるので、100円均一で買ったファルト布セットから、赤のフェルトを切って 敷いてみました。




メッキ部品の切り口には  ミラーフィニュッシュを貼ってタッチアップ修正しておくと、断然 見栄えがよくなります。ボディのメッキ文字も、同様です。  クリアパーツは最近お気に入りの手芸用ボンド(水性木工ボンド)で接着しましたが、乾くと透明になり、曇ることなく、気持ちのよい仕上がりになります。




 実車が小型のライトウエイトスポーツカーのため、手の平にひら乗るよう小品ですが、どこから眺めても フォルムが素晴らしく、破綻がありません。 さすが、在りし日の日東科学の名キット。ストックから解凍して作ってみませんか。フジミからもS800として現行品がありますので、入手可能です。




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