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デファイアントMk.1 (エアフィックス 1/72)

  by 加藤 寛之
飛行機プラモデルの製作




 当時、誰かが考えた。爆撃機を援護できるほど戦闘機は長距離を飛べないものだ。だから、イギリス人は大陸からの爆撃機だけを心配すればよい。それなら銃座に鉄砲をいっぱい載せて、横や下からバリバリ撃つのがよい。後にニッポンやドイツが固定の斜め機銃を発明するらしいが、それよりもずっと便利だ。そして、こっちは小型機の方がいい、弾が当たらないから。・・・単発機だな。銃座が重いのが難点だが、使えるエンジンは限られている。 それならば、飛ぶために必用だが抵抗の源でもある主翼を小さくしよう。これで抵抗が減って速度を稼げる。翼面加重が大きくなって機動力が落ちるけれども、相手は鈍重な爆撃機だから、これでイイのだ・・・なんて考えたのだろう。ちょっとした考え違いは、ちょっと出かけてみたこと、こっちの都合に合わせて敵さんが来てくれないこと。逆に、こっちの都合が悪くなるようにやってくること。“敵さん、戦闘機は違反ですよ”って言っても戦争はスポーツじゃないから、こっちの負け。あ~ぁ・・・。




 なにしろ、以前のキットは似ていなかった。胴体はなんか痩せていて、機首もピュ~と細いからエンジンはとてもはいらない。いくら4本の機銃がよく出来ていても、こりゃあイケマセンだった。それが、こんどは新製品である。 エアフィックスだって、デファイアントがマズいことを承知していたということだ。どんな評価の飛行機でも、祖国のためにそれで飛び立ったパイロットに報いる精神がすばらしい。




 コックピットの各パーツはどこか甘い感じだが、これが実にピタッとつく。ゆるさがちょうどよいから、正確に位置あわせをしなくても、ちょっと動かせばカチャッと収まる。 すごく楽だ。いや、どのパーツもそんなちょうど良さがある。カチャカチャ手を動かすとピタッと入る。すごくプラモデルっぽいのだ。




 主脚は感動的だ。ちょっと細くて柔らかい主脚で不安だったが、これがちょっとゆるいのにピタッと穴にあう。主脚は壁面ギリギリに立つので、流し込み接着剤を入れると外見を壊すことなく壁面とも接着できて頑丈。 斜め支柱も適度な甘さがあるので楽に付けられるし、そうかといってガタはない。これに脚カバーを付けると、これらが補強となって脚のぐらつきがなくなった。


 


 その脚カバーだが、2枚が重なった状態で一体パーツになっているので、形はスッキリするし、前述のように補強にもなる。普通のメーカーならば、2枚バラバラにしてしまうところだ。 これはエアフィックスの見事な判断で、すばらしい。タイヤは自重変形での成型で、これも穴が適度にゆるいので地面と合わせやすい。排気管は2種あり、取り付け部分の発想も工夫してある。




 銃座はというと、これが塗装後に載せられる。「あれ?入らないかな」と思うほど、ピッタリ。 当然、可動にもできる。




 後部胴体上のフェアリングも上・下の別パーツ選択。 操縦席の風防は、後部フェアリング上げ・後部ゲアリング下げ・開放の3つを用意してある。サービス満点だ。




 難点もあるにはある。主翼後縁が厚く、エルロンは特にひどい。これは削り上げてごまかす。主翼前縁のライトは、取り付け部分がプラモデル的な割り切りすぎて、ライトが入っている雰囲気に欠ける・・・でも、透明パーツなのだから合格か。 あとは特にない。




 塗装は緑と茶の雲形迷彩と真っ黒の2種選択。塗装嫌いの私は、当然のように真っ黒な機体にした。実機は真っ黒かもしれないが、私はタイヤブラックで塗った。この色ならば、パネルラインや影表現を黒で加えられるからだ。 機体全体のタイヤブラックもところどころで塗り方を変えて、ツヤの感じに変化を付ける。この方がおもしろい。デカールは大きいものだけを貼り、細かい注意書の大部分は貼らなかった。



 夏の暑さでいつもの倍の日数がかかったけれども、いいのが出来ました。 エアフィックスって、好きだな。


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