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飛行機プラモデルの製作

Su-15UM (PMモデル 1/72)

  by 加藤 寛之




 PMモデルは他社が手を出さないマイナーな飛行機を、ずいぶん以前にお気軽な感性でキット化したメーカーだ。どのキットも表面が強めの梨地仕上げというのも、不思議な感性だ。出来は品質を問うような水準ではないのだが、アイテムの面白さと値段の安さで「この値段ならイイか」とごく一部のモデラーにウケており、私もその一人だ。 作例のSu-15UMもその一つで、単座タイプも製品化している。ところが商品名は「Su-15」でなく「Su-21G」。冷戦のころのソ連機は設計チームも番号もなかなかハッキリせず航空情報別冊『世界航空機年間』1970年版でも「Su-11」としているくらいだから、時代の記録だと受け入れればよい。




 組み立て順の定番であるコックピットは、床板1枚と椅子2個のみ。風防を載せると内部はほとんど見えないので、これでよいだろう。機首に錘を仕込み、床板を挟んで胴体を接着する。これに胴体後端パーツを接着すると、胴体の形が見えてくる。この胴体だが、試作機時代の細い形状で作ったらしく、量産型の太った形状になっていない。改修は大変だから、そのまま組む。結果として痩せたフラゴンになるのだが、実機をよく知らないと気付かないだろう。  エアインテークは左右各2パーツを組むだけ。金型の甘さから胴体側と深く太い窪みが生じるので、ここは熱で伸ばしたランナーを瞬間接着剤で貼って均し、大雑把な整形を行った。その後に軽くパテで均せばOK。


①大きな隙間 ②伸ばしランナーを貼って

③瞬間接着剤で固めて ④削るとほぼOK


 垂直尾翼パーツをのせて見ると、曲面が合っておらず1mmを越える幅の隙間ができる。作成は後ろ側を切り落としてゴマカした。水平尾翼は胴体側後端が不思議な曲線整形なので、プラバンで整形し直した。実機とは平面形が異なるのだが、あまり目立たないと思う。
 次は主翼。実機は外翼になるところで後退角がゆるくなるだけでなくガクッと下がっており、見る方向によってはここが階段状になる。キットは下がっておらず奇妙な膨らみを付けているので、それらしく削ってスッキリさせるのみとする。翼下のパイロンは隙間ガタガタで、塗装後の接着などとても考えられない。あらかじめ整形し接着しておいた。 




 胴体と主翼の接着も思うようにならない。胴体の中央でパーツを左右に切り離して別々に調整して接着、その後に切り離したところを整形した。  主脚は省略されている斜め支柱を付け加えると、ずっと丈夫になる。脚カバーの形状は実機と全くことなる。作例は一旦そのまま接着したのだが、その後に一部を追加加工した。傷跡が残っているが、そのままよりもマシだろう。

一旦切り離し



 塗装は機体によって細部に差異があるので、面白いものを寄せ集めて塗ってみた。  デカールは赤い星が6個と文字2つのみ。あっという間に貼りおわる。




多々難点はあるが、出来てみればリッパにフラゴンの複座型である。細かいことも大きなことも言わず、作ってみれば個性的な1機が出来あがる。 そうは言ってもトランペッターのキットの方が、出来が良いとはおもうけれども。


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