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リニューアル エアフィックスを作ろう 

ニューキットレビュー
九七艦上攻撃機3型(エアフィックス 1/72)の製作
NAKAJIMA B5N2 'KATE' (Airfix 1/72)

by  田口博通 Hiromichi Taguchi
飛行機プラモデルの製作




  新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。正月休み 皆様 プラモ作りを 楽しんでおられることと思います。
 さてニューキットレビューを兼ねて取り上げるエアフィックスの1/72新製品は 5月ごろからアナウンスされていた 待望の日本機 中島 九七艦上攻撃機です。
 1/72では 旧マニア(現在はハセガワから発売)以来のキット化で、実に50年ぶりとなります。
 
 エアフィックスのニューキットは、できあがってみると、フォルムが素晴らしいです。それだけでなく、さすが21世紀に出現したキットで主翼が折りたたみにもでき、また、動翼が全て別パーツになっています。キャノピーも開状態が再現できるように3種類付属、武装も豊富に魚雷と爆弾類が付属して選ぶことができ、サービス満点のキットで、組み立てるのが大変楽しいものでした。
 表面彫刻も胴体はスジ彫りのパネルラインで 主翼下面のアクセスパネルや、動翼の断面形が見事に表現されています。 
 主翼は、伸ばしたいし、折りたたみたいしと しばし迷った末、結局 出撃準備中として、右片翼だけ折りたたみとしました。フラップは全下げ状態にし、エレベーターは機首上げ状態に。またエルロンとラダーは少し動かした状態としました。
 合いも良いので、追加工も皆無。これらがストレスなしでスムーズに完成していき、製作そのものが快感。
 このエアフィックスの九七艦攻のキット 組み立てが非常に楽しく、久しぶりにプラモデル作りの楽しさを満喫しました。
 
 更に細かく細かく手を入れなくても、ここはキットの出来の良さを活かして、さくっと作ってみるのが正解ではないでしょうか。

とはいえ、考証派には、九七艦攻の資料として、モデルアート臨時増刊No.553 「日本海軍艦上攻撃機」 が詳しく、大変参考になります。


キットについて

 箱絵はCG画ですが、翔鶴搭載EI-311 機(第2次攻撃隊)がハワイ パールハーバーを水平爆撃している光景を見事に描き切っています。  この箱絵の主題はおそらく、投下された3発の爆弾。九七艦攻が 敵艦攻撃が任務の攻撃機であることを、表現しています。尾翼エレベーターが上がり右翼のエルロンが上がっていることから、機首を上げつつ、右急旋回で離脱しようというところでしょう。

箱絵



 コクピット床は主翼上面と一体になっている。
このような構成を見たのは初で新鮮な驚き。
主翼の上半角もきっちりと設定でき、GOODアイデアだ。




主翼下面と胴体部品、各動翼は別部品になっている。

コクピット部品、プロペラ、武装パーツなど
主翼折り畳み部の内部部品もある。
主脚は 折りたたみ時の部品も付属していて、飛行状態も選択できる。


九一式航空魚雷は木製の安定板もきっちりとモールドされており、スクリューも綺麗に成形されている。
カウリングとエンジン
カウルフラップは開閉が選択できる。
透明部品、キャノピーが開閉状態に合わせ、3種付属している。

デカールは、真珠湾攻撃の翔鶴搭載機と加賀搭載機の選択となっている。印刷が良く赤が透けないのが嬉しい。
いつものわかりやすい説明書には カラーの塗装説明図が掲載されている。

製作

 コクピット床が主翼上面に一体成形されているという構成で、フットバーや座席、隔壁、計器などを接着し、塗装すれば、あっというまに 胴体と主翼は出来てしまいます。 今回は、展張作業中との設定として、左翼を展張状態とし、右翼はまだ折り畳みの状態としてみました。

右翼を切り取るが、モールドのスジに合わせ、軽くナイフを入れると簡単に分離できる。



  切断面には 内部構造を再現した部品をはめこんでおきます。実際の主翼下面の切断部はもう少し複雑に入り組んでいるようですが組み立て易くするために直線状にカット。 それで充分だと思う。凝ると完成しなくなるから.



塗装したコクピット


胴体内部のモールドにあわせて塗り分ける。
後方の5個の○は機銃弾倉


胴体左右を接着し、主翼と一体になったコクピットに重ねると形になる。 

 

塗装

 サフェーサーの代わりにMrカラーNo.13ニュートラルグレーで下塗りをし、NO.35下面色をパネルの中に吹いて、パネルラインを強調してみました。 箱絵のイメージを参考に その上に、No.16濃緑色をまだらに吹き付け塗装します。



胴体の白帯はデカールを使わずに テープでマスキングして艶消し白を筆塗。


デカールを貼り、脚やエンジンなど 艤装をしていく。



 6番小型爆弾と 25番爆弾、爆弾架 部品 4部品構成のエンジンは塗装するだけで精密になる。

プロペラシャフトを金属線に置き換えれば、カウリングをはずしてエンジンを見せて飾ることもできる。



 充分に塗料が乾燥した後で、デカールを貼ります。油彩のローアンバーでスミイレとウエザリングを施し、最終的に、デカール保護を兼ねて 艶消しクリアを全面に吹き付けています。  これで、全体が落ち着いた仕上がりになりました。


完成

 素晴らしい箱絵の翔鶴搭載機で爆弾を搭載して作ってみたいと思うのはモデラーの当然の欲求ですね。爆弾架や脚など細かい部品もよくできています。
ピトー管は金属で置き換えた方が、強度があるので、壊れにくく、後々楽でしょう。
 航法灯などもきっちりと塗っておくと、精密感が増します。
プロペラのピッチが非常に良い雰囲気です。
 ニューキットの九七艦攻 追加工無しでさくっと作った割には この完成度です。製作時間を十二分に楽しめました。完成まで、2週間弱でした。やはり、プラモ作りは楽しくないとね。 
 エアフィックスの刷新攻勢ですが、2016年もこの勢いは止まりそうになく、楽しみな一年になりそうです。
 次のワイルドキャットも翼の折りたたみ状態が選択できるようで、今から大変に楽しみです。
 第2次大戦機ファンは エアフィックスからしばらく目を離せないでしょう。
 








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