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特集 爆撃機 & 攻撃機

連載  世界の名作(迷作)キット発掘コーナー

A-4E/F 「スカイホーク」 (ハセガワ1/72)

by 鳥巣 Torisu



 

<実機解説>

 母艦搭載機として軽量、小型で取り扱いが容易、しかも、稼働率が高い等の能力は非常に重要であるが、A-4スカイホークはそれらの特性をフルに生かした低空強行襲撃機(本来は核爆弾搭載が主任務の攻撃機として開発された)であり、ベトナム戦争に於いて防空設備の濃厚な北ベトナムの軍事施設への攻撃や南ベトナムにおける味方地上軍への近接攻撃機としてその持てる能力を充分に発揮した攻撃機である。後継機として開発されたA-7AコルセアⅡに比べると高空での作戦能力不足及び兵器搭載量が少ない等の欠点が指摘されながらもベトナム戦争初期のローリングサンダー作戦から後期のラインバッカーⅡ作戦までベトナム戦争の最初から終わりまでアメリカ海軍攻撃隊の主役を務めた名機である。 諸元
全長:12.3m
全幅:8.38m
全高:4.57m
基本重量:4.7トン
搭載量 :2.5トン
装備品や運用状況によって異なる
固定武装:Mk12・20mm機関砲×2
搭載エンジン:J-52 P/W社製
推力    :3.856kg
速度    :889km(高度10000ft)
航続距離  :1.526km(戦闘時)
パイロット :1名




<キット解説>

 今回ご紹介するのは1960年台後半から70年代に掛けてハセガワが発売していた恐らく初版もしくは2版目の製品です。定価は200円位かと思われます。
もはや定番と化した長方形のランナー枠3枚にキットが収められています。パッと見部品が多そうな感じですが半分は各種爆弾やラック・燃料タンク等で機体を組み上げるパーツは少なく初心者でも作れるように配慮されています。
マーキングも当時を反映してかベトナム戦争に参戦した海軍機2種海兵隊1種計3機種から選べることができます。
基本パーツ構成はこの当時と同じですがクランク型の給油プローブや計器盤デカールを追加し何度かのデカール変えを行い2016年現在でも販売されている現役のご長寿キットです(笑)

箱絵
胴体など

組み立て説明書


主翼部品とデカール

製作

<コクピット>

 当時のスタンダートなパーツ構成でコクピットフロアー・座席・パイロットの3点構成です。
ステイックと計器盤が無いのは座席が大きくパイロットを乗せると中は全く見えないので無視して良いでしょう。
フロアーをエアークラフトグレーで塗り座席はジャーマングレーとOD色で塗り分け頭を乗せる箇所は赤で塗りカーキグリーンで塗ったパイロットを乗せればコクピットの組み立ては終わりです。



<胴体と翼の組み立て>

 コクピットが出来たら胴体機首部にM5サイズのナットを錘として入れ胴体に取り付けます。取りつけたら胴体の左右を貼り合わせ次に主翼の上下を合わせて胴体と翼の接合を行います。この時翼と胴体接合部のすり合わせを必ず行ってから接合してください、出ないと大きな隙間と段ずれが生じます。
 インストでは背中のハンプバックが選択式になっています。作りたいマーキングの機体を決めてから選んでください。インスト上ではハンプバックが有るのがF型、無いのがE型(垂直尾翼の先端パーツを着ける)と指示されています。今回はバックの無いE型を選びました。
更にエアーインテーク・エアーブレーキ・水平尾翼などを取り付けていきます。
インテークの淵が肉厚だったのでデザインナイフで薄く見えるよう削りました。



<整形>

 機体が士の字になったら胴体部と翼の接合部とインテイク取り付け部に生じた隙間にラッカパテを盛り付け乾燥後#400・1000・1500の紙ヤスリで削り#2000の紙ヤスリで全体を軽く撫で缶スプレーの#1200グレーサフを吹き付けて整形は終わりです。 サフの乾燥後ペパー掛けで消えたモールドをトライツールのP-カッターとテンプレート及びモデラーズのマスキングテープを用いて彫り直し整形は終わりです。
72と言うスケールなので大きなパネルラインのみ彫り直しました。


<塗装とマーキング>

 当時の米海軍定番カラーのハイビジ塗装です。
上面はクレオスNo315「ガルグレー」
下面及びフラップ及びラダーと足回り・各種パイロンと爆弾ラックはNo69「グランプリホワイト」で塗り、インテークと脚カバーのフチはRLMレッドで塗り分けました。
最後にエナメルのスミ入れブラックでウオッシングを施しました。




<細部パーツの取り付けと仕上げ>

 マーキングはVA-12のE型を選びました。
デカールは経年劣化で使えない恐れがあったので先にマイクロデカール社の「デカールフイルム」を塗って保護してからお湯につけて使いましたが国籍マークやコーションマーク類が貼った時に切れたりして一部使えませんでした。ダメになったデカール類はジャンクデカールの物と貼り変えました。
 貼ったデカールの上にMrマークセッターを塗りなじませて乾燥した後ブレンドしたオリジナルの半光沢クリアーを吹き付けました。クリアーの乾燥後並行して組んだ脚周りと燃タンやパイロンそして各種爆弾を取り付けて最後にキヤノピーを乗せて完成です。
最後に、キャノピー後ろのアンテナは切り飛ばして無くしてしまったので作り直しましたが大きすぎたようです(苦笑)
小学生のころから模型店やスーパーの売り場で見かけていたハセガワのA-4スカイホークですが今まで完成させることが有りませんでしたが今回の作例記事で初めて完成させることができました。
完成させる機会を与えて下さった編集部に感謝です。

参考資料

文林堂 世界の傑作機
 No3   A-4スカイホーク(旧版)
 No150 A-4スカイホーク(改訂版)

キットのインスト


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