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特集 戦車と兵員輸送車

(Photo)スウェーデン装甲兵員輸送車 Tgbil m/42KP

by  コルディッツ
博物館写真

 第二次世界大戦中、武装中立国スウェーデンは軍備増強に必死でした。
空軍の狂奔ぶりは有名ですが、陸軍も負けず劣らずで、大戦中に装甲兵員輸送車の開発を始めて、Tgbil m/42KPという装甲トラックを配備しています。
 スウェーデン陸軍車輌を展示するアーセナル戦車博物館には、大戦中の装甲トラックがあり、その説明文の拙訳は次の通りです。
 「スウェーデン陸軍は1942年に、歩兵輸送用の装甲四輪駆動トラックの開発を指示し、ボルボ社とスカニア社が設計しましたが、取り付ける装甲外皮はランズベルク社の開発した共通のものでした。スカニア社は自社製の新車の大型トラックF-11のシャーシを利用しています。
 幾つもの会社で作られた装甲外皮は棺桶に似ているので、兵士達は装甲トラックを「棺桶」と呼びました。後に「KPトラック」として知らるようになります。
 1950年代の初期に車輌は8mm連装対空機関銃m/36で武装されました。
 1960年から1964年のコンゴと、1964年から1978年のキプロスでの平和維持活動で、KPトラックはスウェーデン部隊で使用されました。国連はコンゴで他国の国連軍部隊のために15輌購入しています。KPトラックは60年以上よく従事し、2004年に退役しました」
 別の資料によれば、KPはスウェーデン語の「Karosseri Pansar」の頭文字で、和訳は「装甲車体」かと。ボルボ社の製造車輛はVKP、スカニア社製造はSKP と呼称されていました。また水冷式対空機銃を付けたのは1956年とありましたので、第二次世界大戦中は非武装だったようです。
 クルーは2人で搭載兵員は15人(別の資料では16人)。兵員搭乗スペースに天板はなく幌だけ。最高速度は70km/h、車輛重量6,230kg、総重量8.500kg、装甲厚は8mm~20mm、全長6.30m、全幅2.30mとなっていました。60年間に渡りスウェーデン陸軍と国連軍の足として活躍しましたが、路外機動性が悪く、 装甲が薄く、オープントップな事から、次世代の装甲兵員輸送車Pbv 301が1960年に開発されました。


 Tgbil m/42 SKP
 スウェーデン陸軍博物館(ストックホルム)にて  2014年6月撮影
対空機銃は取り外されていますが、マウントは残っています。







 国連平和維持軍の塗装。ただし展示車輛自体は派遣されていません。







アーセナル戦車博物館にて 2014年6月撮影
 対空機銃を取り付けるマウントがないので、大戦中の型かと。
 奥の米国製ハーフトラックと比べると、車高の高いのが気になります。  





右側ハッチより撮影の操縦席。









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