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夜間戦闘機 月光 11型甲 (タミヤ 1/48)
by
Y大佐
6月のお題目は夜間戦闘機とのことなのでタミヤの月光を紹介します。
「月光」は初めから夜間戦闘機として設計されたわけではなく、もともとは爆撃機の長距離護衛を目的とした双発戦闘機として開発されました。しかし双発機が単発戦闘機に運動性で敵うはずもなく、偵察機として使おうにも速度的に苦しいことから「使いものにならない機体」と判断されていました。
ところが、胴体に斜め銃を装備したところ成果をあげたことから夜間戦闘機として採用されたという「紆余曲折の果てに自分の居場所を見つけた」
みたいな機体と言えます。
タミヤの月光は大振りな機体をうまく表現した好キットと言えます。
とにかくパーツの精度が高いのでパテいらずで組み立てができ、塗装に専念できる点が助かります。
作例では一晩にB29を5機落としたといわれている機体をチョイスしました。
濃緑色はクレオスの海軍濃緑色にブルーを混ぜています。また、翼前面の敵味方識別帯と日の丸は塗装で表現し、塗装後にエナメルの黒で軽くウォッシングを行った後で半艶クリアを吹いて艶の調整をしています。
ディテールアップとしては機首のレーダアンテナを真鍮線で作り変えたことと、シートベルトにファインモールドのナノアビエーションシリーズのシートベルトを使ったこと、背中の20mm斜め銃の銃口をピンバイスで開口したことくらいです。
機首のレーダアンテナが夜間戦闘機としての存在を強調していると思いますが、実際は装置の不調でアンテナを残してレーダ本体は外していることが多かったらしいです。アンテナを発明者したのは東北大の八木教授なのでYAGIアンテナと呼ばれていたのですが、少し寂しい感じがします。
「月光」は機体やレーダの開発で当時の海軍のマネジメントに問題があったところを現場の奮戦でカバーしていた例と言ってよいと思います。
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