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ルノー4L オアシス ラリー (エブロ 1/24 改造)
by
田口博通 Hiromichi Taguchi
ラリーカー特集用に、一台作りたいと思い、エブロから発売されているルノー4Lを 同じくエブロからオプション発売されている
オアシスラリー バージョン デカール
を使って、ラリーカー仕様に小改造してみました。
オアシスラリーとは現在のパリダカラリーの旧称で、パリとダカール間のラリーレースです。1970年代のラリーレースは現在のような手厚いレースサポートが無く、結構 過酷だったはずです。
ルノー4Lの4駆バージョン(Sinpar) で1979年と1980年にClaude and Bernard Marreau兄弟が出走しています。
Claude and Bernard Marreau兄弟が1979年 パリからダカールまで完走した時の記録写真
ルノー4L キット 箱絵
ルノー4L オアシスラリー デカール
デカールの カラーガイド
当初は標準のキットを塗装を変えて、ラリーデカールを貼るだけで完成するのかと安直に考えていましたが、デカールシートに付属している一枚のカラーガイドを見ると、各部がラリー仕様に改造されているようです。
そこで このカラーガイドを頼りに ルノー4Lをラリー仕様に小改造することにしました。
目につく要改造点をチェックしましょう。
1)キットはソフトルーフなのでハードルーフ化する。
2)フロントバンバーがパイプ溶接になり、下部に大きなガード板がついている。
3)リアバンパーもパイプ化されている。
4)フロントにランプが2個増設されている。
5)これに従い、ボンネットカバーが開かなくなるので、上部で切断し分割する。
6)ボンネットキャッチ用固定バンド4個追加。
7)車体前後に牽引用のリング状フックを追加。
8)排気管が車体上部に引き出されてマフラーが屋根に配置されている。
9)後輪後部に大きなマッドカバーを追加。
完成したラリーバージョン
製作
(1)ハードルーフに改造
ルノー4Lのボディはソフトルーフなので、ハードルーフに変更します。実車のハードルーフは強度を上げるためにリブがついて 段々になっています。
寸法は現物合わせで(写真1)のように0.5mmプラ板を3本短冊に切り、(写真2)のように0.5mmプラ板の上に貼り合わせます。キットの車体上部には(写真3)のようにルーフ穴周囲にリブがありますので、これを削り取っておきます。
プラ板で作ったハードルーフは角をとってボディルーフ部に接着すれは完成です。(写真4)
自分で作るのはちょっとハードルが高いという方は
エブロから[品番63003 Renault 4L Fixed roof body]として ハードルーフがオプション販売されている
ので、通販でエブロから直接、購入されると良いでしょう。
ちなみにデカールも同様に通販でエブロから直接、購入できます。
(写真1)現物合わせで0.5mmプラ板を短冊に切る。
(写真2)プラ板を貼り合わせる。
(写真3) キットのルーフ穴周囲にリブがあるので、削り取る。
(写真4)角をとって車体上部に接着すれば完成。
2) 塗装
イエローには、隠ぺい力の強いグンゼMrカラー特色329 ブルーエンジェルスイエローを使ってみました。
シャーシーは半艶黒で塗り分けます。
内装パーツのウインドー枠もマスキングして面相筆で半艶黒で塗り分けます。
デカールを貼り、クリアを吹いて保護すれば車体は完了です。
3)ボンネットカバーの改造
ボンネットカバーは、艶消し黒で塗装し、デカールを貼っておきます。
その後、カラーガイドを見ながら、カッターナイフで切れ目を入れ、切断します。
エンジンカバーをカッターナイフで慎重に切断する。
4)サスペンションの製作
説明書ではボディにシャーシーを接着してから、前後サスペンションの部品を組み込むように指示されています。しかし、それではフロントサスペンション部に指が入らず ちょっと組みにくいので、シャーシーに前後サスペンションを先に組み込んでしまいましょう。
フロントはエンジンをシャーシーにまず組み込み、その後 フロントドライブのパーツを接着して行きます。
キットのエンジンも出色の出来です。
前後サスペンションを組み込んだ車体下部
5)コクピット
シートは半艶黒で一度塗り、左右をテープでマスキングしてから、ファブリック部を艶消し黒で塗装して変化を付けてみました。
ダッシュボードは 防火壁と組み合わせて、やはり半艶黒で塗っておきます。キットでは車体下部ではなく、車体上部を裏返して内側に接着します。
完成した車体下部、コクピット。後部座席はラリーカーでは不要なので取り外されているはずとしました。
あまり、見えないので、このくらいで充分と思います。
(さらに凝りたければ、シートを換装し、シートベルトをつけ、
シートを支えるパイプバードケージを自作するとよいでしょう)
6)エンジンルーム
エンジンルーム内の部品は説明書に塗装指示がありますので、それを見ながら塗装して接着するだけで、いい感じに出来上がります。
ルノー4Lは FF化する際にエンジンを逆転してそのまま前部に配置したので、クラッチケースが最前部にあります。それを操作するロッドがコクピットから長く伸びて、ラジエーター上部でコネクトされて、クラッチケースにつながっています。
出来上がったエンジンルーム
8)フロントバンパー
実車ではフロントバンパーはパイプ製に置き換えられています。エンジンカバー前部を車体上部に接着した後、フロントバンパーを2mmプラ棒か、金属線で自作します。「案ずるより産むが易し」といいますが、意外とこの自作簡単です。
プラ棒で自作したパイプ状フロントバンパー
9)小部品の自作
その他 目立つ小部品を自作しましょう。
前部ガード板は0.5mmプラ板で作ります。
排気管はキットの排気管部品からマフラーだけ切り取って、現物合わせで2mm金属パイプから加工した排気管を取り付けます。
リアバンパーはプラ棒を曲げて作りました。
フロントにランプが2個増設されているので、ジャンクパーツから適当に形状と大きさが合うものをスカウトしてきました。2mmプラ棒でランプ支柱を作り、車体に取り付けます。
ボンネットキャッチはファインモールドのシートベルトセットから適当に合いそうな大きさのものを流用しました。
前後の牽引リングは、0.5mm金属線と1.4mm金属パイプを組み合わせて作ります。
大型の後輪マッドガードは、板鉛から自作しました。安直ですが、適当な柔らかさで塗装するとゴムのように見えます。
完成
ドアハンドルやバックミラーなど細かい部品を接着して完成です。
シックなルノー4Lが パリダカを走ったラリーカーに変貌しました。
小改造で済むラリーカーって気楽です。
小改造が面倒な場合は、塗装を変え、オプションデカールを貼るだけでも、ラリーカーの雰囲気を充分味わえます。
さて、完成した後で、上のカラーガイドの写真をさらによく見ると、ルーフ右側にオレンジの警告灯が2基取り付けられているようです。 こんな風に 忘れた部分が後で発見されることもありますが、大勢に影響はありません。後日 気が向いた時に取り付けることにいたしましょう。
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