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特集 偵察機&観測機

(Photo)  ハインケルの設計したアルバトロスB.Ⅱ

by  コルディッツ
博物館写真

 アルバトロスB.Ⅱは、1913年にエルンスト・ハインケルが設計した複座機です。
 上昇力と航続力に優れ、第一次戦争勃発と共に非武装の偵察機や爆撃機として、1915年には英本土空爆を敢行するなど活躍しました。しかしRAF B.E.2と同様に前席は偵察員、後席はパイロットのため、偵察員の視界が狭い欠陥がありました。その後連合軍側に戦闘機が出現し、又アルバトロスB.Ⅱを基礎に開発されたC.Ⅰが登場したので、B.Ⅱは後方に退き、複操縦装置付き練習機として使用されました。なおC.Ⅰは座席の配置を入れ替え、防御火器を備えることで、B.Ⅱの欠陥を克服しています。
 戦後に建国されたポーランドは、領土内に遺棄されたアルバトロスB.Ⅱを採用し、パイロットと偵察員の練習機として活用しました。
 またスウェーデンでは、第一次世界大戦勃発寸前に、故障したアルバトロスを入手し、これを40機コピー生産し、偵察機として活用しています。その後は練習機SK-1と呼称し、1920年代末まで使用しました。ちなみにSK1を更新したSK5は、再びエルンスト・ハインケルの設計したHD35でした。


アルバトロスB.ⅡA  1302/15 Ada
 ポーランド空軍博物館(クラコウ)にて    2011年5月撮影 
 同機は、実は戦後の1919年にアルバトロス社で製造された機体で、ドイツで
民間機登録(D-690)され、その後ナチス党の準軍事組織NSFK(国家社会主義
航空軍団)で使用されました。そして歴史的機体としてドイツ航空博物館に収め
られ、第二次世界大戦後にポーランドが取得したものです。
 ポーランドでは、1920年に観測将校学校で使用された塗装にしています。



観測将校学校の機体なので、胴体側面に大きな「眼」のイラストがあります。
 女性の肖像画も描かれていますが、彼女は戦間期のポーランドで有名な
オペラ歌手兼女優のAda Sariとのことです。







アルバトロスB.Ⅱ   04
 スウェーデン空軍博物館(リンシェーピング)にて    2014年6月撮影 





(おまけ)           アルバトロスC.Ⅰ      197/15
 ポーランド空軍博物館(クラコウ)にて    2011年5月撮影 
 アルバトロスC.Ⅰは、ドイツ軍最初のCクラスー複葉、複座、武装付きーの
機体で、B.Ⅱから開発された偵察機/爆撃機です。機体は1917年から1918年
にワルシャワにドイツ軍が開校した無線将校学校で使用されていました。
 ドイツ航空博物館の所蔵となり、第二次世界大戦後にポーランドが取得した
ものです。



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