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特集 水上機&飛行艇

(Photo) 氷河から蘇ったノースロップN-3PB

by  コルディッツ
博物館写真

 第二次世界大戦中に自由ノルウェー海軍航空隊だけが使用した、双フロートの単発複座哨戒爆撃機N-3PBは、初代ノースロップ社が開発したA-17攻撃機 をベースに、二代目のノースロップ社が設計・製造したものです。
 初代ノースロップ社は、ダグラスSBDドーントレスの基礎設計もしていたので、後発のN-3PBの機首辺りに、ドーントレスの面影が見えるような気がします。
 1940年3月にノルウェー海軍はN-3PBを24機発注しましたが、機体未受領の同年5月にドイツ軍によって国土を占領されてしまいました。
 母国を脱出したノルウェー将兵は、根拠地をカナダに置き、自由ノルウェー軍を編成します。そこに6機のN-3PBが「リトル・ノルウェー基地」(トロント)に配属されて訓練に使用されました。冬季はトロント周辺の湖水は凍結してしまうので、バンクーバー周辺に訓練地を移しました。
 発注残の18機は1941年5月に船でアイスランドのレイキャビックに送られ、島の南部のレイキャビック、北部のアークレイリ、東部のブダレイリに基地を置き、英国空軍第330スコードロンとして、海上哨戒や船団護衛に従事しました。
 やがてカナダの訓練機もアイスランドに合流しますが、過酷な環境下での運用で、戦争を生き延びたのはわずか2機でした。彼女等は戦後ノルウェーに 凱旋しますが、ほどなくスクラップにされてしまいました。
 1979年、アイスランドのThjorsa氷河の川底から、N-3PBの墜落機(GS-U)が引き揚げられました。同機は1943年4月21日に不時着して氷河の隙間に嵌り、 沈んでいたものです。引き揚げ機はカリフォルニアのノースロップ社に運ばれ、ボランティアの力を借りて1940~41年当時の機体にレストアされました。
 そして1980年11月10日にノルウェー空軍に返還され、ノルウェーへの途上にアイスランドで展示された後、唯一の現存機としてノルウェー空軍博物館に展示されています。


ノースロプ N-3PB   20/U
 ノルウェー空軍博物館(ガーデモエン)にて     2012年8月撮影





エンジンはライト・サイクロンGR-1820 G205A 1,200hp 空冷星形 




搭載能力は1,200ポンドの魚雷か同量の爆弾又は潜水機雷。 


武装は主翼に12.7mm×4、背部と腹部に7.62mm×1のコルト機関銃。 















 



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