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飛行機プラモデルの製作

 F-16 ファイティング ファルコン
イスラエル空軍戦闘機(オオタキ 1/48)

  by 加藤 寛之



 存在したことが知られていないか、知っていても忘れられたオオタキF-16の、さらにバリエーション製品。
  初版キットは1977年発売だったが、記憶ではタミヤより高く箱絵もパッとしなかったので、お店ではタミヤの10分の1も売れなかったように思う。そのさらにバリエーション製品ということで、もとが売れていないので残存キット数は相当に少ないだろう。では、お宝キットかというと、そうではない。まず形だが、ほぼYFでちょっと先行量産型という中間的造形というハンパもの。その上で『航空ファン』1977年6月号の「新製品紹介」では、「脚柱を2mmほど切りとった方がよい」ともある。
さらにハセガワ「おっ助け写真帳」Vol.5(1988年)から引用すると、「モノやタミヤよりはだいぶんシャープなできだ。
全体的にはYFのスタイルだが全長が短く、猫背が強い上にコックピットの幅がせまいので印象はよくない」とある。“あ~~あ”みたいなキットなのだ。それに加えて実戦感充分のイスラエル空軍のデカールという、さらに難解なものなのだ。

 けれども、今の私には全~然、気にならない。むしろ、試作機から量産型への改修過程にもかかわらず各社が続々とキット化をすすめた、プラモデルが元気だった時代の証人だから、心が熱くなる。“やっちゃえ、オオタキ”だ。
 さあ、作るぞ!



 コックピットはごく簡単。黒く塗って、ちょこっと赤や黄色をポチポチのせて、それっぽくする。これを挟み、念のための錘を機首に入れて、左右分割の胴体を接着する。エアインテークはこの時代のキットにしては合いがいい。奥に壁があるので、面倒な工作がないのもいい。実は、排気口には目の前にフタがある。さすがに見栄えに影響するので、ここは開口しておく。筒抜けになるけれども、覗かなければバレない。後胴下面の2枚のフィンは、そこの胴体とのコの字型の一体パーツで、とても組みやすい。  キャノピーは前後2分割で、当然ながら断面形にズレがある。まあ、許容範囲。胴体との合いも、まあまあ。丁寧に削り合わせれば改善するが、押さえてなんとかなる範囲でヨシとした。気付くとヘッドアップディスプレイが押さえつけられて歪んでいる。う~ン・・・。



 主翼や尾翼は、それなりにちゃんとつく。もちろん、それなりなので、上面側を揃えるようにして、下面は無視。見えないところはどうでもいい。主翼下面はパイロン取付け穴も開けたまま。私は武装をつけないのが好きだから穴はまる見えだけども、気にならない。  脚の短縮は、こうした。前脚は中央の丸棒部分を切断、1mm強つめて再度接着。さらにタイヤの接地部を少し切って計2mmくらい下げる。主脚はタイヤホイールの穴を俵型に広げ、これで1mm強下げる。さらにタイヤの接地部を切って計2mmほど下げる。タイヤと軸がずれるけれども、だれも気付かないと思う。



 塗装はいつものように似た色でOKとした。それにしても、オオタキのキットにイスラエル軍仕様があったことを知らない人は多いと思う。オオタキとしても売れない商品を、もう一度問屋様に仕入れていただくための苦肉の策だったのではないか。はたして、再注文はあったのだろうか。そんなことを考えながら、塗装も終ってデカール貼りとなる。 注意書きの類は、寸法が大きすぎるものがある。ハデでいい感じだぞ、と考えることにする。劣化で崩れやすかったが、大部分は貼れた。細かい注意書きはうるさいので、貼らなかった。これは好みの問題。最後に半光沢のスプレーを厚めに吹いて終了、完成である。



 出来上がって、眺める。なるほど、YFタイプだ。これでイスラエル軍塗装は超オカシイのだけれども、キットは時代の証人、これでよい。 ※追伸:私が所属しているSLBというプラモサークルの方々が大量にF16を製作しているそうで、来年5月(だろう)の展示会には50機くらい新作登場とのウワサが聞こえてくる。それに乗じての製作なのだが、でも、オオタキはこれ1機だと思う。


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