伝説の1961年発行 「プラモデル読本」は日本最初のプラモデル製作ガイドでした。名称こそ「プラモデル読本」となっていますが、「プラモガイド」の第一号と数えてよいでしょう。
1961年(昭和36年)当時の時代背景を少し思い起こしてみましょう。
日本製プラモデルがマルサン商店から初めて発売されたのは1958年(昭和33年)とされていますが、その少し前の1955年(昭和30年)に新橋のステーションホビーがアメリカからの輸入プラモデルの販売を始め、レベル製(当時はラベールと呼ばれていた)の飛行機、自動車プラモデルが一部の模型マニアの中で話題になりつつありました。エアフィックスの1/72飛行機もそのころ輸入されたそうです。しかし、いずれも大変高価なもので一般には流通をしておりませんでした。 |
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「プラモデル読本」が発行された1961年当時の日本製プラモデルシーンは、マルサンの他、ニチモ(伊号潜水艦、戦艦大和)、三共、三和、イマイ、タミヤ(パンサー戦車)と続々と参入を始めた時期で、どの街の小学校脇の文具店の店頭にもプラモデルが飾られ始めていた時代でした。
三共、三和は廉価なピーナッツサイズの飛行機で駄菓子屋を販路の中心としており、イマイは鉄人28号、鉄腕アトムと廉価なキャラクターものが中心でした。 1961年時点では 国内でスケール飛行機プラモデル(1/100,1/50シリーズ)を発売していたのはマルサンだけだったのです。
専業のプラモデル屋(模型店)がぼちぼちと開業するようになったのもその頃からのことで、これから、日本でプラモデルがつぼみから大きな花を開こうとするのがこの1961年でした。 |