Home  > 日本海軍 航空母艦「千歳」 (ピットロード 1/700) 船プラモデル製作

艦船プラモデルの製作

 日本海軍 航空母艦「千歳」
(ピットロード 1/700)

  製作・解説:R.P.K

 2013年5月号にエンガノ岬沖海戦におけるタミヤの駆逐艦「桑」を作り、小澤中将率いる第3艦隊の空母4隻のうちハセガワ製「瑞鳳」とピットロード製「千代田」は製作済、 ピツトロードの「千歳」を完成させましたが転居騒ぎで投稿が大分遅れました。画像は用意していたので今回ようやく製作記事を投稿します。


 ロンドン軍縮条約下に水上偵察機24機を搭載して戦時には搭載機を半減、特殊潜航艇(甲標的)12隻を搭載する特潜母艦として計画され、1938年に水上機母艦「千歳」と「千代田」が建造された。ミドウェイ海戦で4隻の正規空母を失ったため両艦は空母へ改装され1944年から第3艦隊に所属して6月のマリアナ沖海戦に参加する。 10月にはフィリピンへ上陸したアメリカ艦隊を殲滅すべくレイテ湾へ突入する栗田、志摩艦隊を援護するため小澤艦隊の空母4隻を囮にする「捷一号作戦」が発令、艦載機116機をかき集めて出撃して10月24日にフィリピン沖から最後の攻撃隊を発進させた。翌25日朝からアメリカ艦載機の猛攻を受けるが直援機もなく対空火器で応戦しながら回避運動をするが9時に「千歳」が沈没、「千代田」は被弾して航行不能となり「瑞鶴」と「瑞鳳」が相次いで撃沈され、曳航に失敗した「千代田」は迫るアメリカ巡洋艦隊に残った高角砲で応戦するが炎上して転覆、沈没した。


1) ピットロードからレジンに続いてインジェクションの1/700キットが発売され、後部の12cm28連噴進砲を装備せず船体に迷彩塗装をしていない1944年9月に就役してから6月のマリアナ沖海戦に参加した状態だが、噴進砲などのパーツも入っているので25㎜単装機銃などを追加して迷彩を施せばエンガノ岬沖海戦の姿も再現できる。



2) 完全プラキットの前にピットロードが発売した「千代田」は、当時としてはガレージキット並みに高価で船体やパーツがレジン製のなのである程度の経験があるベテランモデラー向けだった。



3) ピットロードのレジン製キットはインジェクションの武装パーツは入っているが、飛行甲板はプラ板に印刷されただけでモールドもなく制動索や滑走制止索などは自作しなければならない。



4) 最近になって意欲的に艦艇キットを発売しているアオシマから、内部の格納庫までモールドされて細部も良く出来た1/700の「千歳」と「千代田」がキット化されて飛行甲板の迷彩デカールや主翼を折りたたんだ艦載機も付く。



5) 「千歳」と「千代田」では先端が異なる起倒式マストや13号電探、人員救助網などはエッチングを使用して滑走目標線と風向表示線は飛行甲板の迷彩を塗装してからマスキングして吹き付け、制動索などを最後に取り付ける。



6) 飛行甲板の後端をマスキングして着艦制限の赤白に塗り分け、左右に張り出した着艦標識をエッチングに替えて「千歳」を表す対空識別記号「ちと」はキットのデカールを使用した。



7) 艦首旗竿をシンチュウ線で作り直して菊の御紋章はディテールアップパーツを使用、飛行甲板左右に張り出したポケット各所に増強された25㎜単装機銃を取り付け、対空指揮装置などのディテールも追加。


8) 「千歳」型はディーゼルエンジンと蒸気タービンを組み合わせ、4基のボイラーから右舷前部の斜め下向きに装備された煙突から排気して、ディーゼルの排気は右舷後方の小さな煙突から排出している。



9) マリアナ沖海戦後に焼夷弾4.5kgが入ったロケット弾28発を発射する最大迎角80度の12㎝28連装噴進砲を艦尾左右の張り出しへ6基追加装備し、で実戦では射程1000から1500mの弾幕を展開した。



10) 水上機母艦として建造されたが将来の空母改造を考慮して後部の建造物は空母甲板の一部となり、吃水からの高さは低いが最高速力29ノットを出せるので航空機を発進させるには充分な性能だった。



11) 船体左右を艦艇に接着するが、飛行甲板と調整して内部に変形防止のプラ角材を補強しておく。



12) 艦首にある羅針盤艦橋の窓を開口し、飛行甲板左右の指揮所やボートデッキに測距儀や方位測定器、短艇やダビットなど資料を調べて調整しながら取り付ける。



13) 艦尾にはキットの14m特型運貨船(大発)と12m内火艇を2隻づつ搭載した。



14) 飛行甲板後部の裏側には搭載している大発と内火艇を上げ下ろしする懸架レールと、応急修理用の木材をストックしておくポケットが装備されている。



15) 1944年春に横須賀の海軍航海学校で実験、採用された飛行甲板の迷彩は、艦の進行方向を誤認させて急降下爆撃をずらせるためだが未熟なパイロットのため滑走目標線を描いたので迷彩効果もない。



16) 2013年2月号に投稿した商船改造空母「海鷹」と比べると「千歳」は吃水から飛行甲板までが低く、船体側面は潜水艦からの測距を誤らせる1944年6月からの塗り分け迷彩だが効果のほどは疑問だ。




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