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飛行機プラモデルの製作

 Bf108B タイフン (エデユアルド 1/48)

by MELS57




 メッサーシュミット社の前身であるバイエルン航空機が開発した多用途連絡機(当初はスポーツ機として開発)です。
1930年半ばの設計時点ではかなり進歩的なものであり、その後の単発戦闘機の基本形が完成しています。(→全金属セミモノコック構造、低翼単葉、密閉型コクピット、引き込み式主脚、等)

米飛行家のリンドバーグも試乗しており、非常に出来がよいと評価しています。※1
日本でもドイツオリンピック開催記念にドイツ〜東京への大陸横断飛行(オリンピックの写真輸送)に読売新聞社が購入したものがあります。
ソ連邦(現ロシア)の上空飛行禁止で計画は実施されませんでしたが。

機体は大戦後もフランスのノーム社(大戦中本機の移管生産)で継続生産(ノーム1000 パングァン)され、現在も民間登録で数機が現役です。




 1/72では古くはエレール社がありますが、しばらくはこれが唯一のキットで(現在もスポット生産されている模様)新規でしかも1/48で新金型キットが出るとは予想外

キットは簡易インジェクションであるものの、全面繊細な凹モールドで個別の部品のヌケも良好です。
ただ、パーツの接合で通常のダボがあまりないモノ(胴体や主翼)があり、基本イモ付けに近いパーツの構成でそれなりの強度確保してありますが、そのまま組むと剛性が弱いと思われ、組み立て時に補強材(余ったランナーやプラ板)を要所に追加してやりました。私が持っているものはウィークエンド版で、プラ部品だけですが十分なものです。
しかし、仮組して大きなキャノピーから内部が意外なほど良く見え、基本構成だけでは寂しく感じますので市販のエッチングシートベルト(前席のみ)を追加してみました。胴体後部と一体モールドのキャノピーのチリ合わせに若干手間がかかりました。




 ネットに出ている情報ではどうやらエンジンの組み方が指定通りでは前後逆にマウントされる(ボディのみで前後に装着する部品は指定通り)ようです。これは実機マニュアルの写しで確認出来ました。まあ組み込んでしまえばほぼ見えなくなるのですが。 完成したモノはやや上半角がややきつめな感じですが如何?
(これでもかなり修正したんですが−胴体、主翼接合後、フィレット上面に鋸にてスライスしプラ板くさびで矯正)




 塗装については2次大戦前にヨーロッパからオーストラリアまで単独飛行をなしとげた、2人目の女流飛行家エリー・バインホルンの搭乗機にしてみました。(彼女がこの機体のニックネームWタイフンW− 台風の名付け親でもあります) ※2
全面RLM63グレーにコードレターのみのシンプルな塗りですが、ところどころにアクセントをつけて単調にならないようにしています。
ベースはエアブラシでコードレター系はフリーハンド仕上げ。(色鉛筆で下書きしたものに溝引きでレタリング)
その後エナメルウオッシング処理+水彩色鉛筆といつもの工程で仕上げます。




 バイエルン社は継続してより高出力、単座の109型も設計しており、108型はその実証機として先に進空します。
ちなみにこの機体の主任設計者のロベルト・ルッサーはその後ハインケル社へ戻っていきます。(元々ハインケル社出身)

ウィリー・メッサーシュミットはどちらかというと設計者というより、会社経営の才覚があったようで当時のバイエルン社は倒産の危機にありましたが、これを回避し逆にドイツ航空省に入り込み109型を次機主力戦闘機として売り込みを成功させました。会社も自分の名前で改組します。(Bf⇒Meに)
それまでのドイツ空軍の主役ハインケル社は以降、爆撃機が主力生産のメーカーなっていきます。
(敗戦間際にキワモノのフォルクスイエーガーで戦闘機の生産にカムバックはしますが)メッサーシュミットはその後各種戦闘機を開発製造していきますが、109型ほどのヒット作は現れず、戦争末期でタービンエンジン搭載の262型で挽回(機体設計はルッサーの愛弟子)しますが、時すでに遅くドイツは崩壊していきます。




 エディアルドのホームページを見ると新パターンのデカールをつけたプロフィパック版が再販されています。
⇒スツーカの塗装例のような蛇マークパターンなんかあって購入してしまいそう…
参考資料 MMP Publications Bf108 1/72 1/48スケール5面図、カラープロファイル 現役実機や読売新聞社購入機写真など多数あり
SAM Publications Scale Aviation Modeller Vo16 Issue6 Oct.2010 特集Bf108 1/48スケール5図面、カラープロファイル




 ※1  大戦前にドイツの主要な航空機を試乗含め調査しています 当時ドイツは宣伝利用のため積極的に招待した様で  (ハインケルは自伝書でリンドバーグを当時のドイツの先端航空機を一番熟知している外国人と言っています。 更に後日、短時間ながらメ社でBF109も操縦することを許可されています)
数度訪独するまでになり、アメリカではリンドバーグは親ナチと見る向きもあった。
後年アメリカ参戦時、それまでは 戦争反対派の先鋒であったが、アメリカ航空機産業への協力を買って出てB-24のフォードへの委託生産やP-38の巡航  飛行改善指導、F4Uの運用検討(主に戦闘爆撃能力の検証)そしてP-38での実戦参加−非公式ながら50回実戦飛行し  太平洋戦で零戦(99式襲撃機という記述もあり)の撃墜記録など多々実績を残します。
その他ドイツ敗戦直後に技術調査員として訪独しメッサーシュミット教授本人への面談聞き取りを行っています。


 ※2 この時搭乗していたのはドイツのクレムL-20。よくぞこの機体で長距離飛行したかと。この単独飛行時で何度も不時着 しているようです。修理を手伝ってもらったアメリカの探検飛行家のステアマンC3Bと同行飛行中に記録を樹立。 当時の政権党をよく思っていなかった様で、伴侶の葬儀(ベルント・ローゼンマイヤー オートレーサー 事故死)が国葬扱いになった事で式を無断で中座したエピソードもあります。(ナチスの宣伝に利用される事を嫌ったようです)
  彼女は72歳で飛行免許返上するまで飛び続け(2次大戦後はスイスにて主にグライダーで飛行)  100歳で天寿を全うしております。(2007年没)




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