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特集 ヨーロッパ航空戦

 フォッケウルフ Ta152H-1(ハセガワ・ドラゴン1/48)

by 寿




 フォッケの在庫を減らしてやるぜ大作戦。その四回目(四回で合ってるよね?)は、いよいよフォッケ一族のスーパーヒーロー、タンクの登場であります。
この模型の原型は今は無きトライマスターのキットで、それを上海のドラゴンが買い取って、それを再び日本のメーカーであるハセガワがハセガワドラゴンブランドで販売するというややこしい経緯の模型であります。(現在ではハセガワが手を引いて完全なドラゴンブランドですね)




 トライマスター版ではエッチングだのメタルパーツだのがてんこ盛りの、当時としてはひじょーに珍しい超豪華な超高額キット。今ではちょっと気の利いたキットならよくあるパターンではありますが、その頃はまさに「信じらんねぇ」レベルのプラモでしたね。流石は高々度戦闘機。お値段も高々度で、当時いたいけな高校生だったわたくしには手も足も出ない存在でしたよ。

 グンゼのハイテックシリーズも丁度その頃で、こっちもまさに「学生の軽い財布など門前払い」な狂乱の精密模型群。まぁどうしょーもねーなってな感じでしたね、当時は。模型店で箱を見かけては溜息三昧。高額な上にシュリンクパックされてるもんだから、箱の横の完成写真やらパーツの写真を舐めるように眺めるしか手がない。こんなん買っていくヤツはどんなヤローだ、と恨みとも妬みともつかぬものに歯噛みしつつ模型店を後にしたものです。
 ああ、あの頃は若かった・・・・




 しかし、しかしです。時代は変わるもんだ。エッチングなど高価なパーツはオミットされてますが、あのタンクが今こうして手元に。しかも出来がいまいちアレだったメタルパーツの一部もプラに置き換わって、精巧かつ加工しやすくなって、しかもリーズナブルなお値段に。なんてすばらしい。まさに待てば懐炉の日和あり(かいろ違いだ)。希望は決して諦めない者のために存在するのですね、師匠っ。
 
 アホ話は兎も角、1/48のお手頃なタンクと言えば現在でもコレでしょう。値段に糸目をつけなければ他にも色々ありますけれど、プロポーションの良さとコストパフォーマンスでは未だこのキットの右に出る物は無いと思っております。ただ、なかなか再生産されないのが玉に傷ではありますが。模型店で見つけたら即買いのキットでしょうね、はい。(しかし再生産の度にじりじりと値段が上がっているのが些か不安ではありますが)




 基本優秀なキットなので制作自体はぐいぐい進みます。エンジンがチラ見え仕様なんでそこがチトめんどいですけどそれ以外は何の問題もありませんね。  今回は妄想仕様でいくので、D9の部隊JG4司令ゲーアハルト・ミヒャルスキ中佐の乗機ってことにしてます。ホイットレイに引き続きまたかよってつっこみは勘弁してw一応今回のフォッケ作戦ではこれが唯一の「なんちゃって仕様」ですし~ 




 しかしなんだかんだ言っても完成すると嬉しいですね。やっぱり完成品は正義なのでありますよ。何よりかっちょええしねタンク!
 次はドーラの予定です。しかも1/32。マイブーム「フォッケ祭り」のトリを取る大物!
 しかし作ったら作ったでまた一際場所取るんだろうなぁ・・・・(溜息)



製作の詳細

(写真1)まずエンジンを組んでいきます。これがまたひじょーに出来が良ろしい。パイピングなどを施してこれだけ飾っておきたい程の出来です。カウリングの一部を開放して見せびらかすというのも悪くないですねぇ。
(写真2) でも涙を呑んでこれを封印!インテークのパーツを取り付ける前ならば、こうしてまだこのすばらしいエンジンの一部を覗くことが出来ます。が、これが今生の別れ。「さらばだ、友よ」死者を送る水路から盟友ショウキを見送るファルコもこんな気持ちだったんでしょうかね?
 もう二度と日の目を見ることありませんが、しかし!こうしてヒコーキの魂は宿るのであります。(ホントか?)


(写真3) 当時、同時進行だったドーラと並べてみました。うーん、やっぱ随分長いよね、タンク。
(写真4) プラが薄いせいかそれとも翼が細長いからか、妙に反ってるタンクの主翼。コンロの熱で無理矢理矯正して、真鍮線で補強してみたところです。まぁこのサイズだし、これで充分かな、と。


(写真5) 翼をはっつけた後、並行作業中だった他の二機と記念撮影。
(写真6) 取り敢えず、脚庫に詰め物して三機同時にグレー系で下塗り状態。ああ、この頃のわたしゃイケイケでアドレナリン全開状態じゃったねぇ。この後タンクは他の二機の完成を優先させるため、箱詰め一時封印されてしまうのであります。


(写真7) で、塗装直前の状態でしまい込み幾星霜。ようやく「あ、タンクが放置プレイ中じゃった」と思い出し箱から取り出した次第であります。果たして魔窟の奧には、こんな顛末で埋没しているお手つき品がどれほど眠っていることか・・・・
 取り敢えず今ソコは考えない事にして、下面色で全身をさくっと塗り込みます。おおう、夜戦みてーじゃ。

(写真8) フラップ、エルロン、前縁部を優先に塗装。無塗装箇所はグレーの下地で発色させたいから、ざっくり塗り残します。


(写真9) 「面相筆の出番だ」(b~y、スターウォーズのドゥークゥ伯爵)。ランナーに付いたまんまだけど、脚カバーもついでに塗っていきます。
(写真10) トーンをちょびっと上げて下面色上塗り塗したんだけど、あんまし代わり映えしなかったっす。


(写真11) 気を取り直して面相筆攻撃再開。まずいつものようにモールドを茶褐色で墨入れ。まぁ、下塗りはグレーバイオレットで充分っすかね?

(写真12) グレー系はこんなもんかのう。



(写真13) アップにするとこんな感じ。
(写真14) グリーン系に移行。あと、古い金型のせいかキャノピーに傷が目立ちますね。第一風防は兎も角、問題は第二風防ですなぁ。磨き倒すのが面倒なんで、余っていたタミヤ版フォッケのキャノピーをちょびっと手直しして貼り着けてます。(前作、A8R2仕様の残り。キャノピーのマスクもタミヤのそれ)


(写真15)あー、やっとここまで辿り着いた。ここまで塗ればフィニッシュが見えてきます。テンションもモリモリ上がってきますぜお兄さん!
(写真16) トーンを上げた近似色を塗りの浅い部分だけに塗った後、下地色と上げたトーンの色とを混ぜてエアブラシを吹きます。これで設定色より若干明るめで、淡い色彩を狙った色合いを目指します。この辺の調整が毎回塗装の胆ですなぁ。


(写真17) 魅惑の翼はこんな感じで。

(写真18) JG4の白黒帯の幅は割と不均一。で、こんな感じにしてみます。


(写真19) バルカンクロイツのヌキ部分はグリーンなもんで、みどりの十字を描くハメに。

(写真20) ああっ、この模型は元々H-0の機体じゃった!胴体燃料投入口が無いよ、どーする?デカールまで貼った状態でよ~。あ~もうここですっとぼける訳にもいくまいて。何でもっと早く気付かないかなぁ、とほほ。
 しょーがないんで簡易の筋彫り板を作って燃料投入ハッチを彫ります。ほんとにもう、まったく!



(写真21) ちょびっと小さいけど気にしない。そう、気にしない。人生においても大切なことですね。(でも投入口の有無は気になるという小心さよ・・・・)あとはバリをヤスリがけしてリタッチするだけです。

(写真22) 2おおう、かっちょいいじゃないですか!紆余曲折あったけど、この名作キットもこうしてめでたく完成です。
 タンクのH型と言えばひょろ長くて華奢なイメージがありますが、こうして改めて見ると当時レシプロ機として最高峰の機体として人気があるのも納得です。当時のドイツは早くもジェットに移行しつつあったので、時代の仇花と為っている感は否めませんが(笑)。でもまぁ、スタイルと機体開発にまつわる伝説は年中無休ってことで。かっちょよさに理屈は不要でございますよ。








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