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ハリケーンMk.ⅡD ”フォックスハンター”
(ハセガワ 1/72)
by
寿
積みプラタワーを年末恒例の棚卸し(大掃除とも言う)の最中に見つけたのがこの一品です。
「あー、そういやこーゆーのも持ってたねぇ」と奇妙な感慨に耽ったりなんかして。まるで行きずりの古いお店で掘り出し物を見つけたような気分ですよ。部屋のストックから忘れ果ててたキットを見つけるとお宝発掘というか、何だか得をしたような気分になりませんか?わたしだけですかね。
更に、そんな発掘品には必然的に過去の思い出なんてものも付随しているものでして、「ああ、あの頃はあんなことやこんなことをしてた」と懐かしさに浸るのと同時に、思い出したくもない暗黒歴史までまざまざと蘇ってきたりするんですけどね。(そして掃除の手はぴたりと止まっちゃったりする訳だ!)
まぁそんな訳で今回は、ふと、造ってみました。ちょっと前にブロム&フォスの50㎜砲を積んだペーパープラン機も造ったし、
大砲つながりで並べて見るのも面白いかな~とも思ったのでw
キットは1996年謹製で、基本のキットが出来たのはも少し前ですね。どちらにしろ20年以上の熟成を経たシロモノですが、お酒などと違って出来が良くなる訳じゃないのが残念なところ。
月日が経つ事に劣化は進むばかりで、たまには「30年を越えるとモールドが繊細になる」とか「ある日突然プロポーションが良くなった」とかないですかね。無理かな?小物のパーツとかは頼みもしないのに勝手に紛失したりするのに・・・・
プロポーションは文句なく、精度高いパーツのハメ合い適切なモールドと出来の方は流石のハセガワ様。さくっと造ってさくっと色塗って、ぺたっとデカール貼れば出来上がり。同梱されているのはエアロマスターのデカールで、薄さも発色も実に上質。いや~なんて素敵キット。簡単にかっちょよく仕上がるというのは大きな美点だと思うのであります。
とは言え、最近は此所まで安くてシンプルでかっちょええ製品をとんと見かけません。一部では彩色済みスナップキットなども出てたりしますけど、ワタクシ寿めの基準からしてもちとパーツが多くてお値段もはり、ちょっびっとヘビーなユーザー向けかな~なんて思ったりなんかして。
パーツ少なめで、造りやすくても高額というのが最近のメーカーの風潮ですね。中国系は多量のパーツを盛り込んだ木っ端微塵模型まっしぐらですけど。
どちらにせよ数が捌けなければ単価が上がるのは道理で、これも時代の趨勢でしょうか。あの頃の安価でシンプルなキットはプラモが男の子の嗜みだった時代の名残花なのかも。
その一方で精密な超絶模型も欲しいと思う辺りなんぞ、舌の根も乾かぬうちにと言うか、欲望に際限はないと言うか。
まったく始末に負えませんw
製作の詳細
(写真1)コクピット塗って胴体貼り合わせて翼を付けてパテ盛って、次の日に削り倒せばあっという間にこの姿に♪
(写真2) 40㎜砲搭載機なので羽根の上のパネルがちょびっと違う。なのでそれらしく筋掘った後、いつものようにだーっとラッカーでスミ入れしていきます。
(写真3) 裏面はエイザーブルーの指示だけど、そのまま塗ったらかなりガンダムっぽいのでエアスペリオリティブルー(長い!)を混ぜて色合いを落ち着かせてみます。うーん、まぁこの程度なら我慢出来そう。目に優しい感じ?でも多分それは気のせい。
(写真4) 下塗りでだーっと薄めた濃いサンドイエローを塗ります。
(写真5) しかる後に明るいサンドイエローをぷーっと吹く。あー、ちょっと艶がなさ過ぎた?かさかさで粉吹いたみたいな感じ。まるできな粉餅のごとし。
(写真6) 今回は少し趣向を変えてマスキングゾルで迷彩してみることに。なので下塗り定着の為にトップコート吹いた後、ダークアースを塗ってからマスキング。
順序逆だろ筆塗りならマスキング不要だろって言われそうだけど、筆目をボカす為にエアブラシ使いたいからコレでいいのだ。スケールちっこいと細吹きにも限界あるし。
迷彩の境界面にちょびっとスキマをつくる所がミソ。
(写真7) ダークアースと濃いサンドイエローの混色でボカして、デカール貼って再度トップコート吹けば出来上がり。ノーズアート(っていうかノーズ「トップ」アートだね、こりゃ)はいつものようにノーズアートクイーンシリーズから。「お前はモデルカステンの回し者か」って?イエイエ、良いモノは良いとただそれだけでゴザイマスよ。滅相もない。
(写真8) キット同梱のエアロマスターのデカールはすっごく出来が良くって、蛇の目の色合いもわたし好み。いやー、なんてお買い得なキットなんだ。キットになっている実機が「フォックスハンター」と呼ばれていたらしく、ノーズアートもそれにちなんで「DESERT FOX」に。
(写真9) しかしこうして見ると、もっさい感じのハリケーンも中々力強くてかっちょええね。40㎜なんて大口径砲なのに妙にしっくり似合ってるのは時代錯誤、もとい鋼管フレームに羽布張りという男らしい胴体後部のボリュームのお陰ではないかと思う次第であります。
(写真10) 有名機なんで色々と資料と風評には事欠かない機体ではありますが、やはり兵器として工業製品として「必要とされ、それに間に合った」というのは性能以上に大事なことなのでしょう。と同時に、マーリンエンジンがどんだけスゴいエンジンだったのか、って話にもなります。
だってこんな機体マーリンじゃなかったら只の駄馬、背筋が寒くなりますよ。
(写真11)
(写真12)
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