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飛行機プラモデルの製作

 スピットファイアMk.16 (エレール 1/72)

  by 加藤 寛之




 もう机の脇からなくなったと思ったエレールが、もう1個ありました。これはツクダのブランドで発売されたもの。ツクダがいつ扱ったものか、調べてはいません。買ったことも記憶にありません。 組み順が分らない組み図はいつものことですけれど、部品の名称が書いてあることや、色が日本語表記なのがちょっと嬉しい製品です。
 ビニール袋を開け、ためらわずにランナーから大きなパーツを切り離します。使わないパーツも外して、さあ、開始。




 コクピットのパーツは、どこに付けるのか良くわかりませんが、まあ大丈夫。コックピットの組み物は下側の翼の穴から入れられそうだけれども、それには胴体が柔らかすぎて扱いにくそう。床板や隔壁を組み込むことで補強して組むのが正解でしょう。 色はスカイと書いてあります。「そうでスカイ」とかつぶやいて、もっと緑っぽい色を塗ります。陰になる部分は暗い方が模型としての見栄えが良いと思うし、内部なんてどうでもいいと思っています。




 主翼パーツは下面が左右一体で、上面が左右分割という、ごく普通の構成です。後縁に近い表面がヘロヘロしていたので、軽く均します。問題は胴体と主翼を接着するときの上反角で、中央が真っ直ぐになるようにします。まず後部を接着して位置決めをし、マスキングテープでぐるぐる巻きにします。次は前側で、これもマスキングテープで位置を決めます。これでしばらく置きます。次に主翼上面側の処理です。上面で両翼間を跨ぐようにマスキングテープを貼り、上反角を決めます。
それからフィレットのところに瞬間接着剤を流して固定、固まったらもう1回、瞬間接着剤を流します。さらにもう1回流せば大まかに埋まります。気になる部分へ追加で流します。完全に固まってから、ここに溶きパテを薄く塗り、それを綿棒に溶剤を含ませたもので余分を拭き取ります。これで固定&整形が完了です。あとは主翼後縁とフレットのつながり部分を整形するとか、下面側も整形するとかすれば、ここは終了です。



この段階あたりで、水平尾翼も接着します。胴体も主翼もヘナヘナなので互いが捻れていたのですが、そこは何とかまあまあOKのあたりで固定します。こういう外観の方が、コックピットよりも大切に思う私なのです。外観重視と言えば、機首下面の吸気口は、口先が胴体と離れすぎているように思います。
砂漠用のフィルター付きっぽいなぁ、と思いながらも、まあOKとしてそのまま改善もせずに使います。それ以外の主脚、排気管、プロペラ付近などは、キットのままで充分にOK。私の場合、72では「だいたいOK」と「完璧OK」とが同義語とはいえ、実際、エレールのキットは結構良いのです。組みやすいとはいえないけれども。




 塗装は全面銀色を選びます。理由は塗装が簡単だから、塗装が嫌いだから。実機は塗装による銀だったと思うので、これも好都合。まず艶消しの銀を塗ります。次に凹モールド部分や凸モールドの周囲とか下側、リベット部分に黒を混ぜた銀を塗ります。今回は、やや黒を強めにします。それが乾いたら、布で軽く全体を擦ります。この時に艶消しのために表面が僅かに荒れていた銀が磨かれ、さらに黒っぽい部分に銀が擦りつけられるので、黒っぽさが柔らかくなるのです。 あとは、細部をちょちょっと塗ります。風防は前後2分割なので、面倒な擦り合わせをせずに、開けてごまかしました。デカールは経年変化のためか、硬くてノリも弱くなっていたのですが、何とかごまかして貼りました。場所によっては強力な軟化剤でも落ち着かず、水性ボンドで貼ったところもあります。
これで完成です。在庫はあと何百個かあるから、頑張らなくっちゃ。



 <蛇足>
スピットファイアは楕円翼が特長。『世界の傑作機スピットファイア』No.25(平成4年)p.11、またはp.59、No.102(平成15年)ならばp.47にある下面写真が分りやすいので、これを翼幅方向に誌面を傾けて胴体からどのように主翼が出ているかを見てください。スピットファイアは、「楕円翼を胴体に埋め込んで」います。
プラモデルですと、「半分に切った楕円翼を胴体左右に付けている」ものが多々あります。その差は、プラモデルではほとんど変わらないのですが、微妙に雰囲気が違います。よって、チェックポイントだとはいえます。さらに実機は胴体のちょっと外側から上反角がつくうえに捻り下げもあるので、結構、難しい形の主翼になっています。でも知識は知識として、私はそんなことは気にしないでキットを作って楽しみます。



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