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特集 試作機、計画機、変な形

   Me328 (PMモデル 1/72)

by 加藤 寛之

 Me328は、実験的な試作に終わった簡易戦闘/攻撃機だそうで、動力は報復兵器V-1号が背中に摘んでいるのと同じ機構のパルスジェットだとか。これを左右の翼下に計2本をぶら下げて装備するらしい。ところで、V-1搭載のパルスジェットは前から空気が押し込まれることで動く簡単な機構のエンジンだから、前進していないと連続駆動しないんじゃないの? 故に、他機に頼って空中に連れて行ってもらうか、カタパルトで打ち出してもらう必要があるんじゃないの?使い勝手がわるそうだけれども、まあ、それは認めるとしましょう。では、左右の推力バランスのズレはコントロールできるの? V-1でも撃墜されるのに、より大きく重い機体で性能は充分なの?? ン~・・・どこか、怪しい。やはりというか、実機はどうも難アリだったようだ。




 キットのメーカーはトルコのPMモデル。“PMモデルは私もいろいろ作ってきたし、簡単だから、まあ買ってみるか”と購入したもの。エアフィックス製Do217のバリエーションキットとして付属しているMe328のバラ売りだと思う。そのためであろう、支柱部品も入っている。F-104みたいに翼幅が狭い試作V1と長い翼のV2のコンバーチブルキットという豪勢な商品・・・なのだが、なんともお粗末なキットで、50年前のオモチャプラモの水準に近い。 長短2種の主翼は、ボ~~とした1枚モノの造形、単純なのに左右で高さがズレている胴体は、もちろん筋彫りもズレている。垂直尾翼と水平尾翼は厚みタップリで後縁まで猛烈に厚い。風防も高さが背中と合わないが、他の場所と比べればマシか。そもそも、全体の姿がどこか似ていない。もともと造形的に興味ある形態でもないし、ちゃんと金型を造っても見栄えはどうってことないから、この程度で廉価にキット化した方が賢いのかも?




 もうひとつ、試作V2の方は、私が簡単に調べた範囲では写真や図面が見つからなかった。「じゃあ、作れないナ」と思う人もいらっしゃるだろうが、私は「こりゃぁ、作りやすいや」と思う方。 ゆえに、長い翼をもった試作V2を選んだ。でもさあ、空想でもいいから、パルスジェットエンジンが2本、付属していればいいのに・・・。




 では、作り始める。
 胴体左右を接着するまえに、少しだけ垂直尾翼後縁の内側を削り、薄くしておく。コックピットは椅子とペタルが造形された床板が1枚。これを挟み込んで胴体を接着する。胴体の高さは上面側であわせ、ズレは下面にもっていく。これは固着後にガリガリ削り、それでも残った段差にパテを擦り込んで均す。
 主翼は表面全体にユルいヒケがある。ガリガリと削って、なんとなく翼の表面のように均す。後縁の上面側がダルく丸いので、ここも削って均す。
平面形を整え、次に後縁を大胆に削り上げて薄くみせる。そうなると下面の後縁は酷いことになるのだが、気にしない。上から見て下面が見える人類は少ないから、かまわないのだ。水平尾翼も同じように対処する。

 主翼や水平尾翼は、胴体との接合部分がダルイので、そのままでは隙間が生じる。そこで差し込み板を切り落として整形したり、ダルい部分を削ったりして、なんとかそれらしい水準で接着できるようにする。




 風防は低すぎて背部と段差が生じる。これは胴体側に適切な厚さのプラ板を接着して合わせる。隙間には水性ボンドを流し込んで、塞いでおく。
 脚がないので、スタンドが付属している。いかにもプラモデルのスタンドで面白みはないが、使う。塗装後には機体と接着して、プラモデルとしての取扱いに便利なようにしておく。
 塗装は、上面ダークグリーン・下面ライトブルーとの指定。テキトウに、その辺りにある似た色を塗って終了。色の境目はボカシを加えて空気感をだしたが、それ以上は塗装意欲がなくなった。デカールは白と黒で版ズレが酷く、白がはみ出した部分を貼ったあとで切り落としておいた。カギ十字は、その辺に余っていたデカールを使った。
 完成である・・・。




 「今月、もう1機」というだけで開封し、無事にその通りに出来たのだが、それだけのこと。“これで「1機」って数えてもなぁ・・・”と思うが、とりあえず、在庫が1個減ったことをお祝いする。  次は、エアフィックスのスピットファイア(あれ?何ヶ月か前に作った・・・のとは別の製品だけど・・・)にしよう。



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