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特集 ボマー 爆撃機

(Photo) 遅刻した爆撃機 アブロ・リンカーン

by  コルディッツ
博物館実機写真

 アブロ・リンカーンは対日戦を念頭に、ランカスターの主翼を再設計し、胴体を延長、エンジンを二段過給機付きマーリン85に換装して、長大な航続力と優れた高速性能に高々度性能を達成した戦略爆撃機です。また武装も(あの英国人が!)7.7mm機関銃を捨て、20mmと12.7mmの装備で強化しました。
 初飛行は1944年6月9日と、ノルマンディ上陸作戦の僅か3日後と慌ただしさを感じますが、開発は順調に推移して、翌年には部隊配備されますが、肝心 の対日戦は遅刻しました。
 その代わりに?戦後政情不安定なケニヤやマレーでの空爆が戦歴です。
 ジェット推進のキャンベラ爆撃機の配備を受けて退役を始め、英本国では1963年に、35機生産のオーストラリアと輸入したアルゼンチンでは1965年に 退役しました。リンカーンは胴体を改造されてシャクルトン哨戒機に変身し、1990年まで余命を繋いでいます。原型のランカスターもマンチェスター爆撃機の改造なので、約半世紀に渡り一連の機体がアップデイトの繰り返しで現役生活を過ごしたことになります。これは設計主任ロイ・チャドウィックの有能さを 示すと共に、英国人の(救いがたい!)無精な保守精神の表れなのでは?
 コスフォードの王室空軍博物館にリンカーンB2が展示されていましたので、 対日戦に遅刻した爆撃機を紹介させていただきます。


    アブロ・リンカーンB1   RF-398
 王室空軍博物館コスフォードにて               2016年4月撮影





  爆撃手席後方の下部ハッチから機首方向を撮影してみました。





  ランカスター一族らしい長~い爆弾庫。爆弾6,350kg搭載可能とあります。





  ロールス・ロイス・マーリン85エンジン? リサーチ不足で済みません。



  後の五式戦展示は、実現しなかった対日戦のライバル機のはずだから?







  機首爆撃機手席クローズアップ。








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