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飛行機プラモデルの製作

 Su-7BKM (SMER 1/72)

  by 加藤 寛之




 「KPのキットだろう」と思って買い、そのとおりだった。KPはチェコの会社で、ソ連・東欧機のまともなキットが見当たらなかった時代に、ほぼ唯一、正確な東欧機のプラモデルを提供してくれた会社だった。とても丁寧なつくりだけれどもメチャ拙く、完成させるにはそれなりの工作を必要とする製品だ。 塗装はと見ると、外観の塗装説明はあるが大雑把。細部は機体の内外ともに全く記載なし。これを「酷い」と思うか「適当でイイのね」と考えるかは、作り手次第。わたしは後者になる。




 パーツの袋を開封する。KPは古い東欧キットでは抜群の造り込みで好ましいし、しかもパーツ分割に特異なものはない。これで終わればよいのだが、各翼は前・後縁ともバリなのか、ダルいのか、崩れているのか、スッキリしていない。境界層隔板の成形は丁寧だけれども、どこかモッサリしている。KPのキットはパキパキ硬い材質だったけれども、このキットは柔らかな材質になっており削りやすいから、とりあえず全身を見られる程度に整形する。水平尾翼先端にある棒状のバランサーがピトー管みたいで「これって、違うんじゃないかな」と思ったけれども、改修などしない。細くなった先端を赤く塗れば目立たないだろう。 コックピットは床板に両側面の板を立て、そこに目隠し板や計器盤を接着して組む。座席は後から載せることにする。機首のマッハコーンは事前組込み方式では不便なので、根元で切断して前から差込む方法に変更する。これで胴体左右を接着する・・・としてしまったので、錘を入れ忘れてしまった。気付いたのは脚を接着して置いたときで、それまで気付かなかった。これは後述。この時代のソ連機の特徴である、あちらこちらの小さな吸気口は別パーツ。実機とは形が違うように見えるが、あればよい。胴体背部にある長い膨らみも別パーツ。丁寧に接着すれば難なくOK。




 主翼、水平尾翼ともに、胴体との取付け板や突起は切落し、面を平滑にして接着する。均すことで接着面積が広くなるので丈夫になり、しかも隙間もなくせる。
 パイロンは塗装前に接着する。翼や胴体の下面との間にある隙間を塗装前に埋めたり、形を整えたりする必要のあるのが理由。
  そんなこんなで、塗装できるところまで進む。
 
 デカールは、アルジェリア、エジプト、アフガンの3か国を用意し、前2か国はそれぞれの雲形迷彩、アフガンのみが銀色。塗装が嫌いな私は、基本1色で済むアフガンを選んだ。適当にツヤを落とした銀色で全体を塗り、点検パネルの周囲や動翼のラインには黒っぽい銀、尖った部分には輝く銀色を塗り、さらに全体に輝く銀色を斑に塗って、単調さをなくす。マッハコーンと垂直尾翼先端は青松葉色。




 塗装後に脚類を接着した。取付けの精度が低くいので挿しこんでもグラグラ、何とか接着する。主脚カバーは何かが違うようで組図のようにならないが、実機がどうなっているか知っている人は少ないし、私も知らないのでOK。
 脚が固着したら、前後に傾いていないか、左右はどうか、置いて確認・・・と、機首がもちあがった。・・・ようやく錘の入れ忘れに気付く。ここは焦らず、尾部下面に真ちゅう線を立てて対処した。
 機首から伸びる棒も真ちゅう線に置き換えた。もう少し長いと良いのだが、余った真ちゅう線を使ったので、ちょっと短い寸法でOKにした。ソ連機の特徴である3本並んだアンテナは、面倒なので省略した。
 座席は塗装後に上から載せる。キャノピーは開閉選択式なので、ここはごまかしやすい「開」状態にした。枠の描き方に不安要素はあるが、特に調べることもしない。




 デカール貼りは最後の作業にした。発色がよく、使いやすかった。国籍マークが6枚と機番2枚の計8枚を貼れば終了で、超簡単で好き。
これで完成だ。ちゃんとSu-7の形をしている。米国のジェット戦闘機とは全然違う形なので、存在するだけで見栄えがする(と、本人は思っている)。
いろいろ気になることはあるが大切なことは「完成」だから、それ以外はどうでもよい範囲だ。

 記憶では、KPは1/48のSu-7も発売していたと思う。どんなキットか、興味がある。


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