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飛行機プラモデルの製作

 <個人特集 「マッチにマッチ」 その2>
Ta-152Hレベル(旧フロッグ 1/72)

  by 加藤 寛之

 


 「マッチボックスの2色成型を塗装で表現したI-16」があまりにも面白くて、続いてレベルのTa-152Hでやってみた。ご存知、元はフロッグが1970年に発売した製品。ノボのブランドでソ連に委託生産する際にドイツ機は断られたのだそうで、よってレベルに売却されたもの。組図に「1977」年とあるから、ノボ化できずに放出された直後に製品化されたレベル製と分る。 それから40年が経過した。キット発売時には、多少の難はあったものの入手したいキットだったのに、今では見向きもされない(でも、モデラーは持っていると思うぞ)。・・・と、いうことで、マッチ似で軽く作ることにした。先に書いておくと、開封から20時間くらいで完成した。その間に、寝て、食べて、風呂にも入っている。




 I-16は「マッチボックスの2色成型を塗装で表現した」のであって、完全塗装品。今度は、半分はキットの素材色を使うことにした。素材色はカーキ色なので、上面色に使う。 もう1色を塗装することにし、これは青味がある明るい灰色(以下、灰色)にした。細部色は、なるべく色数を減らして、テキトウ感を出すことにする。




 キットの素材色を使うには、組み立て作業を丁寧にする必要がある。現代のキットと違って、そのまま組めば段差だらけ・隙間だらけ・全体がガタガタとなる。接着面を擦り合わせ、仮組みを繰り返す。接着には、パーツの両側にねっとりと瓶の接着剤を塗布、貼り合わせたら接合線にそって流し込みタイプを塗り、ギュ~~~~~と押さえる。接合面から溶けた素材が滲み出ればOK。そのままマスキングテープを使って縛るように固定する。これで乾燥を待って、それで削り込めばよい。 今回は粗相に作ったので半乾きで均し作業をしたために接合面が薄く見えるが、時間をかけて乾燥させれば接合跡はほとんど見えなくなる。カウリングはへんな感じにダルくて丸にも不足しているので、ちょっとだけ整形しておいた。




 塗装。大雑把に言えば、胴体上面と主翼上面は素材色をいかし、胴体側面と主翼下面を灰色にする。垂直尾翼はカーキを残す。マッチのキットは、ときどき理解しがたい分割があったので、それをまねて「垂直尾翼は別パーツだった」との想定。
 キットのパネルラインは凸線表現なので、灰色塗装部分に2000番の紙やすりをかけて頂点部分に素材色を出せば、スミ入れ表現の代替になる。これだけでは面白くないので、胴体上面と灰色の境目にインクスポット(※古い言い方だ)表現を加えることにし、綿棒に溶剤をふくませて色を拭き取り、そんな感じにした。「機首は別パーツ」の感じにしたいので、インクスポットはしない。
 細部の似たような色は使いまわして、色数を極力減らす。こうすると安っぽくなって、「マッチボックスの2色成型」に似合ってくる。完成後に数えたら、いつもの3分の1の色数で終わった。思い出せば、子供のころはほんの何色かで作っていた。知識や実感とかで、やたらと色数が増えたが、プラモデルは主な何色かで作ってもよかったのだ。




 デカールはキットのもの。分解しないように補強の液状フィルムを塗布した。なんとなく黒にシマリがなく、透明部部分が黄変していたが、使う。スワスチカはなかったので、余りデカールをテキトウに貼っておいた。最後に半光沢スプレーをブワ~~と吹いて、完成した。  完成品を眺める。半分塗っていないけれども、全然、おかしくないじゃないか。1日で1コ完成、こういう作り方もイイなぁ・・・、と思う私。「これもマッチにマッチだなぁ」と、気に入っている。


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