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誌上個展

   <スター・ウォーズの世界 Vol.4>

by Windy Wing 2013


 今月から再び3ヶ月連続で<スター・ウォーズの世界>を誌上個展させていただきます。

今回はキャラが乱立する<スター・ウォーズの世界>にあって、「主役にあらず、されどヤラレメカにもあらず」という独自のスタンスを確立している<コーンセイヤー BTL-A4 Yウイング・スターファイター>をご紹介いたします。



<バンダイ ビークルモデル005 Yウイング・スターファイター>




 Episode4のクライマックスであるデス・スター・トレンチ攻防戦を真珠湾攻撃に準えると、Xウイング・ファイターが零戦二一型ならば本機は九七艦攻といったところで、これは制空権のない敵基地雷撃作戦として戦史的にも極めて妥当な戦術と言えます。もっとも、目標直径2mのピンポイント攻撃というのであれば、本来ならば九九艦爆かJDAMが欲しいところでしたが、この時点では反乱軍は急降下爆撃に供しうる航空機を保有していなかったようです。
そのYウイングは「もともとは胴体部分も装甲されていたが、激戦で度重なる整備のために外板を取り付けている暇がなくなった」という設定のため、本作に登場する兵器の中では最も配線ディテールが濃密な機体となり、モデラーとしても大変おいしい素材となっています。




本キットはそんな重厚な魚雷屋をわずかな部品数で、しかし、完璧といってよいモールドで再現した逸品です。メーカーは特にスケールを謳ってはいませんが、全長16mと設定されている本機であれば、おおむね1/144の許容範囲に入れてもよいサイズではないでしょうか。
塗装は<ゴールド・リーダー>のもので、この若いパイロット(ダッチ:階級不詳)は最初は威勢がいいのですが、ダース・ベイダーに追いかけ回されているうちに、どんどん逃げ腰になってゆきます。やはり士官学校出身は実戦に弱いですね。




上記の<ゴールド・リーダー>製作にあたっては、表面ディテールの再現のためにオリジナルのモールドをほとんど削り落としてしまい、そもそもの状態がわからなくなってしまいました。そこで、本来の形状を確認するためにもう一機、完全素組みで製作したのがこちらの<ゴールド5>です。
無骨な曹長風のパイロット(ポップス:同)が、弱音を吐くリーダーの尻を叩きながら最後まで奮戦した、あの機体です。




「ゴールド中隊のラインはなぜ金色ではなく黄色なのか?」という謎については、楽屋の裏話も含めて、はっきりとした理由が聞こえてきません。Yウイングの大型プロップ(全長70cmほど)はアポロ・サターンVのキットを使い、先ず基本骨格が2機分同時に製作されました。そのあと、表面のデコレーションと塗装を2班で分担して行った結果、黄帯と赤帯の2種が完成しましたが、結局、赤帯の方は使われないまま、お蔵入りになっています。このあたりは、モデラーが監督の意向を聞く前に先走ってプロップを作ってしまった感があり、スター・ウォーズ初期の予算に配慮しない同好会の姿が色濃く反映されています。
実はepisode4の劇中には「ゴールド中隊」に該当する英語のセリフは出てこず、<ゴールド・リーダー>の存在からこの「3機編隊の中隊」の名前が想像されるだけなので、あるいは「イエロー中隊」が正式名なのかもしれません。しかし、やはり「イエロー中隊のゴールド・リーダー」という設定は本作のルールからは考えにくいので、最終的に「機体は黄色い方がリアルだが、セリフはgoldの方が響きがいい」という映画的判断で落ち着いたのではないか、と想像されます。そこで今回、この素組みの方は「ゴールド中隊の黄帯は金色の褪色表現」という想定のもとでメインテナンス・ジャッキに載せてみましたが、実際にこうして金色の帯で立体化してみると、やはり黄色い方が反乱軍の他機のマーキングによく溶け込こんでいて、なるほど制作者の判断は正しかった、と納得してしまいました。




個人的には、黄色い<ゴールド・リーダー>の方には表面ディテールに目一杯手を加えたつもりだったのですが、こうして素組みの<ゴールド5>と並べてみると、ご覧の通り、ほとんど効果はありませんでした。
これはもちろん、私の技量不足によるところが最大の原因ではあるのですが、それにしてもバンダイの造型技術は侮りがたく、1/72のキットではさらにハードな再現を期待できそうです。



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