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特集 F4 ファントム

(Photo) 女王陛下のファントムFG.1

by  コルディッツ
博物館実機写真

 誇り高き英国海軍が、アメリカ製造のファントムⅡを採用する羽目に陥ったのは、国家財政悪化のためでした。しかし費用削減狙いで国産エンジン搭載や英空母サイズに合わせる諸改修を施したものの、肝心の空母まで財政難で廃止となり、英国版のファントムFG.1は52機の少数生産になります。
 このため「世界一高価なファントム」と揶揄されたように、経済再建には貢献出来ませんでした。されどロールス・ロイスRB168スぺイ・ターボファンエンジン搭載して胴体を膨らませ、狭いリフト対策に機首レドームを折り畳み式にし、前脚延長で空母からの発艦を容易にしたフォルムは、ファントム一族なのに折り目正しい英国紳士のように見えるので、マイ・フェバリットの一つです。
 ファントムⅡはベトナム戦争の象徴になりましたが、女王陛下のファントムに華麗な戦歴はありません。しかし1969年、大西洋横断無着陸飛行50周年を記念するニューヨーク~ロンドン間の速度レースに参加、£6,000の優勝賞金をゲットしました!大時代的な「グレート・レース」に出走は、大人げないと思いつつも、ホビーに真剣に打ち込む英国人に嫉妬と羨望を覚えます。


     ファントムFG.1 XT596/AJ
 艦隊航空博物館(イルチェスター)にて    2004年1月撮影





  F-4C   63-7423/1
 技術博物館(シュパイアー)にて     2008年12月撮影
 なぜドイツの博物館で、C型のブルーエンジェルス塗装機を展示
しているのか不明ですが、前脚に踏台を置いて迎え角を大きくして
いるので、ブリティシュ・ファントムと比較しやすいかと思います。



   ファントムFG.1 XT596/AJ
 艦隊航空博物館(イルチェスター)にて    以下は2016年4月撮影
前方から見た姿勢をアメリカン・ファントムと比べてみました。



        F-4S  153880/NK-201
 USSミッドウェイ博物館(サンディエゴ)にて    2013年4月撮影
 ファントムFG.1の前脚と比べると、英国は背伸びしすぎたような… 


前脚はF-4Cから40in.≒102cm延長とWikipediaにありました。



次は後方から見た姿勢です。エンジンの排気が気になります。



QF-4N  153030/NE-101/N
 USSミッドウェイ博物館(サンディエゴ)にて    2013年4月撮影




飛行甲板のクルーのマネキンが良くできていました。



その点はミッドウェイ博物館も同様です。



ファントムFG.1は空母アーク・ロイヤルにのみ配備されました。
 ただし初号機の引き渡し時は、アーク・ロイヤルは改装中だったので、
退役前の空母イーグルでテストされています。








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